東京農工大と北海道大のグループは、「調査した海鳥の約40%が、プラスチック由来の有害物質を体内に蓄積させていた」ことを1日までにまとめました(日本経済新聞 Oct 2018)。
研究グループは、オオミズナギドリやクロアシアホウドリなど、世界の15地域(日本近海、グリーンランド、ガラパゴス諸島、ハワイ、ベーリング海、オーストラリア近海など)に生息する37種150羽を調査。
このうち、新潟県・粟島を含む12地域の23種46羽から、残留性有機汚染物質(POPs)として規制されている「臭素系難燃剤」のほか、「フタル酸エステル」などの有害物質が検出されました。
臭素系難燃剤とは、プラスチックを燃えにくくするために添加される化学物質。摂取すると体内に蓄積し、生殖異常などの健康被害をもたらすことが報告されています。
現在、国際条約(ストックホルム条約)で一部の臭素系難燃剤の製造・使用が禁止されていますが(国立環境研究所)、海に漂うプラスチックごみの中には、規制前のものが数多く存在します。世界中の海でマイクロプラスチックとなり、海鳥や海洋生物が誤食。臭素系難燃剤などの残留性有機汚染物質は、体内で濃縮・蓄積していくことがわかっています。
グループの高田秀重教授(東京農工大)は、「特に有害物質の濃度が高い海鳥を詳しく調査し、影響を見る必要がある。」と話しています。