一言に「脱プラスチック」や「プラスチック・フリー」と言っても、誤解を招きかねない表現だと思います。身の回りのプラスチック製品を全て抹消して暮らすなんて、今の時代では不可能ではないでしょうか。
いろんな考え方があると思いますが、少なくともプラスチックを完全に抹消することは現実的ではありません。プラスチックは、私たちの生活を支えるためのいろいろな価値と機能を与えてくれています。さらにプラスチックはエネルギー産業や医療産業にとって欠かせない素材です。
ですから、すべてのプラスチックを末梢するのをゴールにするのではなく、もっと効果的にプラスチックを賢く使い、可能な場合はプラスチックをなるべく使わないことです。そして、ごみの大部分を占める「使い捨てプラスチック」の消費をとことん減らすことです。
国・地方自治体・プラスチック業界にできること
国や地方自治体は、廃棄物処理の高度化をすすめ、廃棄されたプラスチックごみが、自然環境に漏れ出さないように徹底的に管理していくことが大事になります(UNEP & GRID-Arendal 2016)。
しかし、どんなに廃棄物処理の高度化をすすめ、リサイクルを促進してもそこには限界があります。そもそもプラごみが多すぎるのです。毎週のように大量にでるプラスチックの容器・包装ごみを眺めればなんとなく理解できるのではないでしょうか。
プラスチックごみを効果的に管理・処理するために、社会の取り組みを大幅に変更する必要があるでしょう。政策・経済・教育を通して、プラスチックの生産と消費を長期的にコントロールしていく必要があります。
当然、プラスチックの製造で儲けているプラスチック業界は反発するでしょう。しかし彼らも変わらないと行けないときが来ています。
プラスチック業界の企業・製造業者は、廃プラスチックを効果的にリサイクルするための仕組みを作るために投資する、あるいは自然環境にとって無害な製品や容器・包装を作ることに投資するべきです。
プラスチックごみを減少させ、管理し、自然環境への流入を防止することにもっと注意を払う必要があります。
私たち個人レベルでできるプラなし生活
プラスチックごみの問題は、国境を越えたグローバルな問題です。そして地球温暖化の防止と同じように国・企業・個人レベルで取り組んでいくべき課題の1つです。私たちにできることはたくさんあります。
プラなし生活とは、ストローやペットボトル、ビニール袋・レジ袋、コーヒーカップ、歯ブラシ、カミソリをはじめ、ほとんど全ての商品の容器・包装(パッケージ)で使われている「使い捨てプラスチック」を日常生活から出来るだけなくすライフスタイルのことです。
プラスチックは腐ることがありません。生物にも分解できません。自然環境に放り込まれると、私たちの寿命よりも遥かに長く環境に留まります。しかし、「使い捨てプラスチック」は製造され使用されたらすぐに捨てられてしまうのが現実です。
プラなし生活とは、社会で乱用されているプラスチックやプラスチック漬けの生活習慣に対して問題意識を持つことです。ケータイ、ノートPC、車を所有するのはもちろん構いませんし、プラスチックの容器に入った薬を飲むことだってOKです。
しかし自分の身の回りを見つめ直し、どれだけ無駄なものを出しているのかを考え、なるべくプラスチックを減らしていこうと試みるライフスタイルのことです。
使い捨てプラスチックをとことん減らす
プラなし生活に積極的に取り組む人たちは、たとえば、マイバッグ・マイボトルを持参し、不要な使い捨てプラスチックをもらわないように気を付けています。
洋服もなるべく天然素材が使用されたものを選びます。洗濯すると合成繊維が下水を流れ、結局は海洋にたどり着くからです。他にも様々な生活必需品から無駄なプラスチックを排除する努力をしています。
プラなし生活は、無駄をなくし、自分が出すゴミを極力減らすことにもなります。ごみとは、再利用・リサイクルできないものを言いますが、リサイクルは最後の選択肢です。
というのも、リサイクルはお金がかかる作業のため、実際にはほとんどできていないからです。リサイクルできるからとたくさんのプラ製品を消費できるという意味ではありません。
プラなし生活することは、プラスチックの産業社会・廃棄物業界に対して常に関心と監視の目をもつことです。このサイト「プラなし生活」のNEWS記事では、世界のプラスチックな話題を提供できるようにしています。
現代社会におけるプラスチック製品の大量生産と大量消費、それが引き起こす環境問題・私たちの健康問題について関心を高めていくことが大事です。
そう、私たち個人レベルでもっと関心を持ち、やってみて、そして学校教育を通じて子どもたちへ伝えていく必要があります。
楽しむことが大事!
目の前に広がるプラスチック問題に囚われず、できることから始めてみることです。当サイト「プラなし生活」は、そんなプラスチックをなるべく使わずに過ごすためのヒントをたくさんの人と共有するために作られました。
プラスチックの有害物質が知らずに体内に吸収され、環境を汚染している事実に頭を悩ませるかも知れません。ただ忘れないで欲しいのは、あなたは1人ではないということ!あなたが起こした行動は、他にも努力している人々へ、コミュニティへと広がって行きます。
プラなしで(or プラスチックフリーで)クリエイティブに充実した暮らしを送るためにも、完璧は求めずに、「楽しみながらやる」ことが大事なんです。
毎日ちょっとずつプラなしに♪