海藻でできたバイオプラスチックに注目!マイクロアルジェにも大きな期待

海藻

“Ooho” を作り出したイギリスのスタートアップ企業、 Skipping Rocks Lab. 。Oohoとは、海藻が原料の食べられる飲料容器です。

Skipping Rocks Lab.は、このような植物や海藻から抽出した自然素材を使い、ゴミの出ない代替品を作ろうとしています (PHYS.ORG Oct 2018)。

現在、ガルシア・ゴンザレス氏(共同創設者・CEO)とそのチームは、地球に優しいテイクアウト用の紙コップを作るのに、ワカメを使おうと考えています。

それは、バイオベースで生分解性があり、かつリサイクル可能な使い捨ての食品容器。さらに水に強く、耐熱性もあります。

実はエコじゃない紙コップ

従来の紙コップは、ポリエチレンで補強やコーティングされています。このことが、リサイクルを難しくしていると同氏は言います。

さらに、100%生分解性で堆肥化可能と言われる紙コップには、ポリ乳酸(PLA)や植物由来のポリエステルが使われていますが、分解するにはかなりの時間が必要です。

また、PLAは堆肥化可能ですが、家庭用コンポストでは分解できません(産業用の堆肥化施設でのみ可能)。

一方、海藻由来のものは、土の中なら4〜6週間で分解されます。安価で栽培・抽出しやすく、海岸のあらゆるところで育つため、価格・性能ともに従来の紙コップと同等の代替品になりえます。

期待のマイクロアルジェ(微細藻類)

マイクロアルジェは地球上で一番最初に生まれた生物。燃料となる二酸化炭素やビタミン類、抗酸化物質や色素など、化学産業に必要な貴重な化合物を生み出します。

しかし、その量はごくわずか。もっとたくさんの量を作り出せるよう、現在研究が進められています。

またマイクロアルジェは、植物の生育に不向きな環境でも育てることが可能。そのため、食料やバイオ燃料に利用できる様々な物質を、大規模に作り出せる可能性があるのです。

さらに、バイオプラスチックの原料にできることもわかってきています。

マイクロアルジェでできた商品を従来のプラスチックと同じくらいの価格で作ることができれば、代替商品の幅が大きく広がると期待されています。