マイクロプラスチックの新たな拡散ルートが判明 水辺の幼虫も摂取

マイクロプラスチック

世界中の海で問題になっているマイクロプラスチック。
その影響は、海の生態系だけにとどまらない可能性が出てきました。

実験によると、世界中の生息地から採取したアカイエカの幼虫に、0.0002mmのマイクロプラスチックを与えたところ、幼虫はすぐに食べてしまい、さらに大人になってもその体内にマイクロプラスチックが残っていることがわかりました(Biology Letters Sep 2018)。

また他の研究では、ウェールズ川(英)で採取したカゲロウとトビケラの幼虫の半数が、その体内にマイクロプラスチックを取り込んでいました(Fredric M. Windsor et al. 2018)。

こういった幼虫は餌をヒゲで漉して食べるため、小さな餌とマイクロプラスチックを区別できません。幼虫は、大量のマイクプラスチックを体内に残したまま成虫になります。

他の水生の幼虫も、マイクロプラスチックを食べている可能性が十分にあります。こういった虫を大量に食べる鳥やコウモリ、クモも摂取していると考えられます。
今回の調査は、海鳥だけでなく、昆虫を食べる陸上の鳥もプラスチックを摂取していることを意味しています(The Guardian Sep 2018)。

川に流れ込むプラスチックは、ポイ捨てされたプラごみだけではありません。合成繊維の服を1回洗濯するだけで約70万本の繊維が出ると言われており(The Guardian Sep 2016)、こうした繊維状のマイクロプラスチックは、そのまま川に流れていきます。

世界各国の水道水から、合成繊維などのマイクロプラスチックが検出された調査からも(Kosuth et al. 2018)、私たちの生活が密接に関係していることは否めません。