【ペットボトルは危険?】微量に溶け出す有害物質

ペットボトル

飲料ボトルに使われるPET(ポリエチレンテレフタレート)。ペットボトルとして、私たちの最も身近にあるプラスチックの1つです。このPETを製造する時に使われたアンチモンが微量ながら溶け出すと言われていますが、さてアンチモンは危険なのでしょうか。

ペットボトルの材質はPET

私たちがよく利用しているペットボトルは、PET(ポリエチレンテレフタレート, polyethylene terephthalate)でできています。

PETは、透明で、耐熱性・耐薬品性があり、強度にとても優れているのが特徴です。液体とガスに対して高いバリア性があるので、食品や飲料(特に清涼飲料)用のボトル(つまりペットボトル)、その他の容器に大量に使用されているんです。

ペットボトルの年間の生産本数は、4,800億本もあります(2016年)(the Gurdian Jun 28 2017)。これは1秒間に15,000本に相当します。ペットボトルの需要はますます増えており、その数は2021年におよそ6,000億本に達すると予想されています(Euromonitor International).

ペットボトル

ペットボトルのPETは安全なの?

一般的には、PETでできたボトルの飲料に、細胞毒性、遺伝毒性、また内分泌攪乱性をもたらす物質が漏れ出すことはないと言われています(Bach et al. 2013)。

しかし、PETを製造する際に触媒として使われアンチモンが、ペットボトルから微量に浸出するのです (Greifenstein et al. 2013, Westerhoff et al. 2008)。

アンチモンはヒトに対して発癌(はつがん)性があります(Sundar & Chakravarty 2010)。

ペットボトル内にはいっている液体が、容器に入っている時間が長ければ長いほど、そして周囲の温度が高いほど、液体へ浸出するアンチモンの量は増えていきます(Greifenstein et al. 2013)。

ただ、ペットボトル飲料に浸出する少量のアンチモンの摂取が、ヒトの健康に影響を及ぼす証拠はまだないようです。

フタル酸エステルがペットボトルから浸出したという報告もあります(Montuori et al. 2008)。米国環境保護庁の定める勧告値よりずっと低いものの、ペットボトル内の飲料水はガラスに保存された飲料水よりも20倍高いフタル酸エステルを含有していました(Montuori et al. 2008)。

まとめ

PETは安全なプラスチックと考えられていますが、微量ながらも避けるべき化学物質が浸出してくるのは事実です。ペットボトルを使う場合は、熱から遠ざけ、再利用はしないほうが無難かもしれません。

予防原則の立場から、ペットボトルを積極的に利用する理由はないでしょう。

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