今、1分間に100万本のペットボトル(*)が消費されています。
世界のペットボトルの消費量はおよそ10年前までは年間3000億本だったのが、2016年には4800億本まで跳ね上がりました(the Gurdian Jun 28 2017)。
年間に4800億本とは、1分間にほぼ100万本、1秒でおよそ15,000本です。
ペットボトルをつなげると地球を2400周!
1年間に発生する4800億本のペットボトルを全部つなげると、どのくらいの長さになるでしょうか?
仮に500mlのペットボトルの高さを20cmだとすれば、地球を2400周できます(4800億本 × 20cm (0.0002 km) ÷ 地球の円周4万km = 2,400)。
(*ペットボトルは、厳密にはポリエチレンテレフタレート(PET)でできたボトルですが、ここではプラスチック製の使い捨て飲料ボトルを全般にペットボトルとして呼んでいます。日本人にはプラスチックボトルというよりもペットボトルのほうが馴染み深いので )
世界中で消費されるペットボトルのほとんどは、ソフトドリンクではなく、飲料水をいれたボトルです(the Gurdian Jun 28 2017)。
2021年にはペットボトルの需要がさらに20%増大する見込みで、その数は年間5833億本に達します(Euromonitor International)。
世界でもっともペットボトルを消費しているのは中国で、世界消費の1/4を占めています。
2016年に738億本のペットボトルが中国で消費されました。
中国では、急速な都市化や、地下水の汚染、水道水の品質問題があり、ペットボトル入りの飲料水は必須で、今後さらに需要が増えると予想されています(the Gurdian Jun 28 2017)。
2016年に消費されたペットボトルのうち、半分以下がリサイクル用に回収されましたが、そのうちたったの6.6%だけが新しいボトルとして生まれ変わっただけです(Green Peace 2017)。
結局かなりの数のペットボトルが最終的に埋め立て地に廃棄され、一部は海洋に流れ込んでいます。
海洋プラスチックごみのおよそ1/3は飲料関係のごみだと言われており、そのためペットボトルをはじめとする飲料関係の使い捨てプラスチックを抹消するだけでも1/3の海洋ごみを減らせると考えられています(Green Alliance)。
コカ・コーラが2割を占めるペットボトル
年間に生産される4800億本のペットボトルのうち、およそ1/5がコカ・コーラ社によるペットボトルです。
コカ・コーラは、毎年どのくらいペットボトルを販売しているかを明らかにはしていませんが、その数は毎年1100億本以上になると推定されています(Green Peace)。
つまり1秒間に約3,400本のコカ・コーラ社のペットボトルが消費者の手に渡っている計算になります。
コカ・コーラは2020年までに、リサイクルされるペットボトルの割合を50%にすると公言しました(the Guardian Jul 11 2017)。
しかし、それでは根本的な解決にはなりません。ペットボトルは100%リサイクル可能だからです。
なぜ、こんなにもペットボトルのリサイクル率が低いのでしょうか?
その答えの1つにボトルの透明度があります。
ペットボトルを100%再利用してつくったリサイクルペットボトルは、リサイクルではないボトルに比べて透明度が低いのです(the Gurdian Jun 28 2017)。
中身がクリアに見えるボトルでないと消費者は買ってくれないから、結局、新しいペットボトルが作られています。
日本国内で1年間に消費されるペットボトルの数は約230億本です。詳しくはこちら▼で紹介しています。