ウミガメの鼻からプラスチックのストローを抜く痛々しい映像が話題になっていました(*痛々しいので視聴は任意でお願いします).
海ごみでよく見かけるストロー
プラスチックストローは,ポリ袋,ペットボトル,プラカップに並んで,浜辺でもっともよく見かけるプラスチックごみの1つです(Boonstra and van Hest 2017).
風に飛ばされて,テーブルから転げ落ちたプラスチックのストロー.
ごみであふれたごみ箱からこぼれ落ちていくストロー.
世界中のレストラン,ファーストフード店,テーマパーク,映画館,コーヒーショップ,コンビニ...いたるところでプラスチックのストローが当たり前のようにでてきます.
地球を2.5周
米国国立公園サービスによれば,アメリカでは1日に5億本のプラスチックストローが使用されています (National Park Service).
1日分のストローを全部つなげると地球を2.5周になります.
アメリカでは,生涯(5歳から65歳まで)の間に1人あたりにおよそ3万8千本のストローを使うと見積もられています (National Park Service).
プラスチックストローは,小さくて細いためリサイクル用に回収されることはほとんどありません.すぐごみになります.
一部は海に入り,動物に誤食され問題になっています.
たとえばマゼランペンギンでは,プラスチックストローの誤飲によって胃に穴があき死亡しました(Brandao et al. 2011).
レジ袋の次はストロー?
米国ではプラスチックのストローは徐々になくなっていくかも知れません.
米国フロリダにあるウォルトディズニーワールドのアニマルキングダムではプラスチックストローが廃止され紙ストローに代わりました(isfoundation).
米国の主要な水族館でもカフェで提供していたプラスチックストローが廃止され,紙ストローになっています(IN OUR HANDS).
フロリダのマイアミビーチでは,ホテルやレストランがプラスチックストローを客に出すのを禁止しています(Axelsson and van Sebille 2017).
サンディエゴでも,一部のレストランですでにプラスチックストローの提供をやめています(hakkasangroup.com).
シアトルでも,2018年7月からプラスチックのストローとプラスチックの食器を禁止にしました(the Stranger Sep 8 2017).
環境意識の高いカリフォルニアでは,プラスチックストロー問題に特化した組織グループがいくつもあります.例えば,ラストプラスチックストロー(The Last Plastic Straw),ストローレスオーシャン(Strawless Ocean),ストローフリー(StrawFree.org)など.
カリフォルニアでは,無料のレジ袋の廃止に続く次のターゲットはプラスチックストローになるかもしれません(Fox5 SanDiego.com 2017).
昨年,カリフォルニアでは住民投票によって無料配布されていた使い捨てのレジ袋が廃止されました.
この流れがプラスチックストローに向かっても驚くことではありません.
医療関係を除いてプラスチックストローがないと絶対に困るというケースはないと多くの人は考えています.