「洗濯ネット」はコットン袋でOK♪ プラ繊維を逃さない洗濯アイテムも

メッシュと平織りのコットンの巾着袋と、化繊をキャッチする特殊な洗濯ネット

化繊の服を洗うと流れ出るマイクロプラスチック問題。自分で防ぐことはできないのか、悩みますよね。

それに、「洗濯ネット」ってどれもナイロンやポリエステル。自然素材のものってないのでしょうか?

マイクロファイバーをキャッチするアイテムと、コットン袋を洗濯ネットにするアイデアをお伝えします!

気になっていた洗濯によるプラスチック汚染。今までより大きく改善できますよ。

▼動画でチェック!


https://youtu.be/Jp8g8J71jB8

最も効果的なのは「外付けフィルター」を取り付けること

合成繊維の服を洗濯すると、繊維状のマイクロプラスチックが発生。そのまま排水されると環境に漏れ出てしまいます。

それを防ぐアイテムが海外にはいろいろあります。

洗濯くず取りネットのように「洗濯槽の中で使用する」ものと、排水管に直接取り付ける「外付けフィルター」に分けられます。

結論から言うと、洗濯機の中でいろいろと手を尽くすより、排水管で繊維の流出を防いだ方が効果的Napper et al. 2020)。

6種類のアイテムの有効性を調査したイギリスの大学による最新の研究では、『XFiltra』という専用フィルターが最も効果的にマイクロファイバーを除去できることがわかりました(Napper et al. 2020)。

有効性を検証したアイテムは以下の通り。このうち、日本で入手できるのはグッピーフレンド・ウォッシング・バッグのみ。(レビューはこちら

  1. 『XFiltra』除去率78%
  2. 『グッピーフレンド・ウォッシング・バッグ』除去率54%
  3. 『Cora Ball』除去率31%
  4. 『Lint LUV-R』除去率29%
  5. 『PlanetCare』除去率25%
  6. 『Forth Element washing bag』除去率21%

※普通に洗濯した時と比較したマイクロファイバーの除去率

ちなみに日本の洗濯機には、くず取りネットがついていますよね。意外かもしれませんが、くず取りネットが標準で取り付けられているのは日本や一部のアジアだけ。

ヨーロッパも米国も、洗濯機にくず取りネットは付いてきません。そのため上記の調査に「くず取りネット」はでてこないのです。

日本の屑取りネットのマイクロファイバー除去率がどの程度なのか今のところわかりませんが、国内での取り扱いを願って、他のアイテムについてもご紹介します!(ただし6位のForth Elementは、試作段階で流通していないため割愛します)

『XFiltra』

出典:United Nations

XEROS TECHNOLOGIESが開発したXFiltra。除去率78%

洗濯機の排水管に取り付け、排水に含まれる微小な繊維をろ過します。

30回に1回ほど集まった繊維を取り出せばOK。

『Cora Ball』

Cora Ball
出典:cora ball

衣類と一緒に洗濯槽に入れて使用するCora Ball。除去率31%

先端のフックでマイクロファイバーをキャッチし、柄の部分に絡まる仕組み。なんとサンゴ礁のろ過システムから着想したそう。

ボールは毎回お掃除する必要はなく、繊維がつかめるくらい集まったら取り除きます。

『Lint LUV-R』

Lint LUV-R
出典:ENVIRONMANTAL ENHANCEMENTS

排水管に取り付けるフィルター、Lint LUV-R

集まった糸くず自体がフィルターの働きをするため、使うほど効率よく除去できるようになります。除去率29%

お手入れは約3週間に1回ほど。

『PlanetCare』

洗濯機に取り付けられたPlanetCare
出典:PlanetCare

全体が層状フィルターで覆われたPlanetCare。除去率25%

約20回の洗濯後、カートリッジを新しいものに交換。古いカートリッジは適切に廃棄するため、製造元に返送する必要があります。

化繊を流さない洗濯ネット!『グッピーフレンド・ウォッシング・バッグ』

外付けフィルターより性能は劣りますが、グッピーフレンド・ウォッシング・バッグも期待できます♪

全く何もしないより断然いい!除去率54%です。

非常に目の細かい洗濯ネット

こちらはドイツの非営利団体が開発した『グッピーフレンド・ウォッシング・バッグ』。

床の上に置いたグッピーフレンドウォッシングバッグ
サイズは50 x 74cm(Mサイズ)
グッピーフレンドウォッシングバッグの外箱
パッケージは紙箱

とても目が細かいバッグで、指を当てるとかろうじて透ける程度です。

ウォッシングバッグに触れている指が少しだけ透けて見えている様子

素材は「マイクロプラスチックになりにくいナイロン」

素材はナイロンですが、糸状ではなく棒状(モノフィラメント)の構造をしています。そうすることで、マイクロプラスチック化しにくいんです(100%ではありません)。

しっかり試験もされています

このバッグは3年間にわたって以下の機関で科学的に試験が行われました。

  • ドイツ繊維研究所
  • フラウンホーファー研究所
  • カリフォルニア大学サンタバーバラ校(パタゴニアの研究プログラムの一貫)

結果は、普通に洗濯した場合と比べて

▶︎部分的に化繊の服:繊維の抜け落ちが79%減少

▶︎全て化繊の服:繊維の抜け落ちが86%減少

繊維の抜ける量が減るということは、服が長持ちする!ということでもありますね♪

また、次のような結果も得られました。

▶︎衣類から発生したプラスチック繊維の90%以上がバッグの中に留まり、外に流れ出ることはなかった。

▶︎ただし、ナノサイズのプラスチック粒子まではキャッチできない。

参考 Frequently Asked QuestionsGUPPYFRIEND

大半の繊維の流出は防げるというのは大きな安心。

とはいえ、一番大事なのは化繊の服を減らしていくこと。ウォッシングバッグはあくまで補助的なもの(最終手段?)として考えたいですね。

使い方は?溜まった繊維はゴミ箱へ

使い方は普通の洗濯ネットとほとんど同じ。

1. 衣類はバッグの2/3くらいまでにします。化繊だけでなく、天然繊維の服も入れてOK。

洗濯物を入れたウォッシングバッグ

2. 普通にいつものお洗濯をします。

3. 繊維はバッグ上部のコーナーにたまります。取り除いてゴミ箱へ決して洗い流したり、外に捨てたりしてはダメです

バッグに溜まった糸くず
何度か洗った後に取り出した糸くず

どこにも繊維が見つからないこともありますが、ご安心を。そもそもマイクロファイバーは肉眼では見えませんし、ほとんどが透明なので見つけるのは困難。

2〜3回に1度、溜まったクズを取り除く程度で大丈夫です

バッグの生地が傷まないよう、次のことに注意!

  • 40度以上のお湯で洗わない
  • 尖ったものを入れない
  • 乾燥機で使用しない
  • 直射日光で乾かさない
  • シワになってもアイロンを当てない
  • ゴシゴシと洗わない

ウォッシングバッグを室内で干している様子
バッグは直射日光に当たらないところで乾かす

おすすめ!コットンの「プロデュースバッグ」を洗濯ネットにする

さてここで、「服は自然素材に変えたのに、洗濯ネットは化繊ばっかり!」とモヤモヤしたことありませんか?

本来は野菜を収納する「コットンのプロデュースバッグ」。これを洗濯ネットにしてみます!

【DULTON】オーガニックコットンのプロデュースバッグ

こちらはDULTONのプロデュースバッグ。オーガニックコットン100%です。

メッシュタイプとモスリン(平織り)タイプがあり、サイズはそれぞれS, M, L。合計6種類がセットになっています。

メッシュタイプのプロデュースバッグ
メッシュタイプ。左からL、M、Sサイズ。
モリスンタイプのプロデュースバッグ
モスリンタイプ。左からL、M、Sサイズ。

S:20 x 25cm(靴下だと2足)
M:25 x 30cm(Mサイズは靴下だと3〜4足、インナー・レギンスだと各1つ)
L:30 x 38cm(Lサイズはシャツ1枚)

モスリンのMサイズに、たたんだネルシャツを入れて洗濯。巾着が開かないよう、紐は軽く結んでいます

モリスンタイプの袋に置いた畳んだネルシャツ
巾着の紐を結んだ様子

メッシュのSサイズには布マスク、Lサイズにはインナーとレギンスを入れて洗いました。

メッシュタイプは伸縮性があるので、洗濯後は縦長に変形…。シャツなどをきっちり入れたい場合は、モスリンタイプの方が伸び縮みせずいい感じ。

洗濯物が入っているLサイズとSサイズのメッシュタイプのコットン袋
左:Lサイズにインナーとレギンス、右:Sサイズに3人分の布マスク

巾着の開け閉めは、メッシュタイプの方がスムーズ

洗濯後は外に干して自然乾燥させます。メッシュなら部屋干しでも早く乾くので、物干しスペースが限られている場合はおすすめです♪

▼この記事で使っているコットンバッグはこちらです♪

サイズもいろいろ!コットンの洗濯ネットの選び方

メッシュと平織りのコットンの巾着袋

【網目】メッシュとモスリン(平織り)を使い分ける

プロデュースバッグには、メッシュタイプモスリン(平織り)タイプがあります。衣類の種類や汚れの程度で使い分けるといいですよ♪

メッシュタイプ:しっかり汚れを落としたいとき。色落ちの心配のない淡い色の服もOK。

モスリンタイプ:下着などデリケートな素材。取れそうなパーツがついた衣類。

【サイズ】衣類の量に合わせる。小サイズはマスクにも

洗濯ネットの容量は、衣類の量に対して大きすぎず、小さすぎないものを選びます。

ぎゅうぎゅうだと洗浄力が落ちてしまい、反対にスカスカだと洗濯ネットの意味がなくなってしまいます

Tシャツやスカート、ズボンはたたんで無理なく入る大きさのものがベスト。(一般的には30 x 33cmくらい)

厚手のセーターはそれより一回り大きいものがおすすめです。

特に型崩れやシワが気になるものは、1袋に1着だけ入れます。

マスクや靴下など、小物にはスモールサイズ。(一般的には20 x 20cmくらい)

赤ちゃん用の衣類にも1つあると便利♪

【形】平型(巾着)タイプがほとんど

一般的な洗濯ネットなら立体型もありますが、プロデュースバッグの多くは平型(巾着)タイプ

「巾着だといまいち」「欲しい容量がない」という場合は、自分で作ってみるのが一番手っ取り早いです。(枕カバーをリメイクするとか)

「洗濯ネット」ってどうして必要なんだろう

そもそも洗濯ネットってどんな役目があるのか、一度おさらいしておきます!

絡まりによるダメージを防げる

洗濯機の中に入った衣類

洗濯ネットを使うと衣類同士の絡まりがなくなり、その分生地へのダメージも防げます。

取り出すときもスムーズ!

摩擦による毛玉が発生しにくくなる

毛玉がついたニット服

また、毛玉も防ぐことができます。

毛玉ができる原因は摩擦による繊維の絡まり。洗濯ネットに入れると摩擦が減って、毛玉ができにくくなります。

型崩れやシワを防げる

シワの入ったシャツ

デリケートな生地をそのまま洗濯すると型崩れしたり、シャツがシワシワになったり…。

洗濯ネットにきちんと畳んで入れると、型崩れを防げます。

シャツも普通に洗うより洗濯ネットに入れたほうがシワが付きにくく、アイロンがけが楽になりますよ。

繊維の色移りを抑えられる

洗濯カゴに入ったたくさんの衣類

さらに色移りも防いでくれます。

濡れた繊維は色が浸み出しやすい状態に。さらに摩擦が加わることで他の衣類に移ってしまいます。

色落ちしそうな濃い色の服やジーンズは、洗濯ネットに入れると安心です。

洗濯ネットで効果的に洗うには?3つの上手な使い方

洗濯物をたたむ女性

洗濯ネットのプラなし化ができたところで、上手にお洗濯するために次のポイントを知っておくといいですよ♪

①汚れた部分は外側に向けて入れる

襟や袖口など汚れている部分は、外側に出して洗濯ネットに入れます

洗濯ネットに入れると、どうしても洗浄力が落ちてしまいます。外側にすることで、汚れが落ちやすくなりますよ。

②ぴったりサイズのネットに1着が基本

ダメージをできるだけ少なく洗いたい大事な衣類は、1つの洗濯ネットに1着だけ入れます。

洗濯ネットのサイズは、衣類をたたんで入れた状態でちょうどいいものを。大きすぎると袋の中であちこち動いてしまいます。

③ボタンやファスナーは閉めて、紐はちょうちょ結びにする

ボタンやファスナーを閉めておくと型崩れを防げます。

紐が付いているものは、ちょうちょ結びにしておくと他の衣類に絡みません。

まとめ

いかがでしたか?

ここでは化繊を逃さない特別な洗濯アイテムや、コットン袋を洗濯ネットにする方法をお伝えしました。

優先順位は、

  1. 衣類はできるだけ自然素材に切り替える(特に毎日洗濯するインナーなど)
  2. 手に入るなら、排水管に専用フィルターを取り付ける
  3. 専用のウォッシングバッグを使用する
  4. 合わせて、洗濯ネットはコットンなど自然素材の袋を活用する

できることから少しずつ♪

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