毎日の食器洗い。
食器洗いスポンジは、家事の必須アイテムです。
スポンジを買うとき、あなたは何を基準に選んでいるでしょうか。
安さ?ものすごい汚れ落ち?それともデザイン?
今回は、食器洗いスポンジをプラスチックフリーにする方法を紹介します。
目次
プラスチックな食器洗いスポンジ
食器洗いスポンジのほとんどはプラスチックで作られています。
やわらかい部分はポリウレタンやメラミン樹脂などのフォーム、そして繊維の部分は合成繊維、つまり「繊維状のプラスチック」です。
使っている間に摩擦でちぎれた繊維や微細化したフォームが水と一緒に下水へ。その一部は処理場を抜け出して最後は海に流れ出ます。
下水処理場でどんなに徹底した処理をしても、こんなに小さくて細い繊維・粒子まで完璧に100%取り除くことはできません。
毎日何気なく使っているスポンジも、海のプラスチック汚染と深く関わっているんです。
よくある食器洗いスポンジに使われている材質
よくある食器洗いスポンジは、大きく分けて5つあります。
- 片面が粗い素材でできた「スポンジたわし」
- 網状のカバーで覆われている「ネットスポンジ」
- 超極細繊維の「水だけで洗えるスポンジ」
- 洗剤いらずでエコと言われる「アクリルたわし」
- 消しゴム感覚で使える「メラミンスポンジ」
スポンジの種類 | 材質 |
---|---|
スポンジたわし | スポンジ面;ポリウレタンフォーム たわし面:不織布(ナイロン、ポリエステル) |
ネットスポンジ | 内側:ポリウレタンフォーム 外側(ネット):ナイロン、ポリエステル、アルミ蒸着ポリエステル |
水だけで洗えるスポンジ | 内側:ポリウレタンフォーム 外側:アクリル、マイクロファイバー(ナイロン・ポリエステル) |
アクリルたわし | アクリル繊維 |
メラミンスポンジ | メラミン樹脂 |
見てわかる通り、どこを取ってもプラスチックのオンパレード。
毛羽立ってきた不織布やアクリル、ほつれてきたネット、ゴシゴシと擦ったスポンジ表面から、小さなプラスチックの粒子や繊維がどんどん水に流れていきます。
茶渋をとるときに使っている方も多いと思うメラミンスポンジ。こすると消しゴムのように小さくなっていきますよね。小さく削れてマイクロプラスチックとなり、下水へ流れていきます。
瞬く間にごみとなる「使い捨てプラスチック」の代表選手ですね。

メラミンスポンジ
「超極細」ファイバーのスポンジはマイクロプラスチックの集合体
「水だけで落ちる」「すぐに乾く」といった、いっけんエコで便利な商品。「マイクロファイバー」という超極細の合成繊維が使われています。
使うたびに繊維が簡単に抜けて、目に見えない細かいチリが発生します。つまり、繊維状のマイクロプラスチックが大量に出ているんです。
ちなみに、マイクロファイバーは太さが8マイクロメートル以下のものをいいます。
どのくらい細いかというと、日本人の髪の毛の平均的な太さは約0.08mm(Kao)なので、マイクロファイバーはその10分の1以下。商品によっては100分の1ともいわれます(UCHINO)。
過激なキャッチコピーに飛びつきそうになったら、ちょっと冷静に。その材質までしっかり見極めることが大切です。
安くてかわいい?色やデザインに惑わされないで
カラフルな色や、かわいらしい形。女性をターゲットにしたオシャレなスポンジやアクリルたわし。
見た目や安さでついつい衝動的に買ってしまう人も多いかもしれません。
買ってすぐはキレイなので、キッチンの見える場所に置きたくなります。でも、ちょっと汚れると一気に生活感がにじみ出ます。
そうなると早く新しいものに変えたくなって、捨てては買うの繰り返し。
見かけや価格に惑わされないでください。
長く使えて、ゴミになっても自然に帰るものに目を向けて。

アクリルたわし
プラのスポンジはいらない!代用できる環境に優しい4つのアイテム
食器を洗うのに「スポンジじゃないと洗えない」、なんてことはありません。
スポンジや液体洗剤なんてなかった時代だって、毎日たくさんの洗い物は出ていました。
そんな昔ながらの道具は、自然の中で分解されます。
使いこむうちに愛着がわいてくる、食器洗いスポンジに代わる天然素材のアイテムを4つ紹介します!
動画で見たい方はコチラ▼から。ふきんのお手入れの工夫なども紹介していますよ♪
綿のふきん
手ぬぐいなどの綿の布があれば、そのまま食器洗いに使えます。
市販でおすすめなのは「びわこふきん」。
オーガニックコットンの落ち綿を使った、食器洗いに使える木綿の布です。
<使ってみた感想>
食器がしっとりと包みこまれる感じ。軽くふき取るように洗うだけで、汚れが吸い付くように落ちていきます。
手紡ぎのようなデコボコとしたガラ紡糸が汚れをからめ取ってくれます。
軽い油汚れならお湯と一緒に洗えるので、洗剤で手が荒れてしまう人にもおすすめ。
もちろん洗剤を少量つけて使うのもOKですよ。
使ったあと風通しのいいところで干しておけば、長く清潔に使えますよ。
役目を終えたあとは、ふき掃除に活用してみて!
<お手入れ>
ふきんの汚れが気になってきたら、重曹(または粉石鹸)を使った「煮洗い」が簡単。
1. 鍋にふきんがかぶる程度のお湯を沸かす。
※アルミの鍋はNG!変色・腐食する場合があります。ステンレスやホーローの鍋を使いましょう。
2. 温まってきたら、重曹(水1Lに対して大さじ1)または粉石鹸(水1Lに対して小さじ2)を投入!
※沸騰した状態で入れると一気に泡立つので、火を弱めるか沸騰する前に入れる。
3. お湯が沸騰したらふきんを入れて、そのまま5〜10分くらい煮る。
4. 水でしっかりすすいで、天日に干す。
棕櫚(シュロ)たわし
シュロとはヤシ科の植物。その皮からつくられたシュロたわしは、まな板やフライパン、ステンレスやホーローの鍋だって洗えます!
よく見るパームたわしと違うのは、その柔軟性。しなやかで弾力があって、とても丈夫。傷をつけずに汚れを落とせます。
繊維に植物性の油が多く含まれていて、水や汚れを弾いて衛生的です。
<使ってみた感想>
まず手に持ったときの感触が気持ちいい!全然チクチクしないのでおどろきました。
調理中にフライパンにこびりついた汚れも、軽くこするだけでよく落ちます。
ポイントは、優しく洗うこと。
ゴシゴシと強くこすると繊維が折れてしまいます。それによくしなるので、力を入れなくても汚れをかき出してくれます。
ステンレスの鍋も洗ってみました。細かい傷など付くことなく普通に洗えました。
ジャガイモやゴボウなどの泥落としにも使えますよ。
ずっと握っていたい手触りとコロンとした形。とても愛着がわきました!
<お手入れ>
基本的に特別なお手入れはいりません。
たわしの中に食材のクズなどが挟まったら、水をはったボウルの中で優しくもみ洗い。または、もう一つたわしを用意して、こすり合わせて取る方法もあります。もしニオイが気になるようになったら煮沸するといいですよ。
100%植物性のスポンジ
セルロースやヘチマなど、100%植物由来のスポンジを使う手もあります。
<セルロース>
セルロースとは木から採れる繊維素。吸水性、速乾性が高いのが特徴です。
100%植物性なので土に埋めれば生分解されます♪ これがあればプラのスポンジは使わなくてすみますよ。
エコンフォートハウスの『ポップアップスポンジ』も、木の端材から採れるセルロース100%のスポンジ。
薄いカードのように見えますが、水で濡らすとすぐに膨らんで厚みが出ます!

水で濡らす前。圧縮されて薄いカードのよう。

水で濡らした状態。ふわふわで、まるで食パンのよう。
食器洗い用の石鹸もこのとおり十分な泡立ち♪
吸水性が高いので、ぎゅっと絞ってシンク周りの水気もキレイに拭き取れます。
最後は水気を絞って自然乾燥。スポンジのように乾きも早いです。乾くとカラカラになりますが、水で濡らせばまた柔らかくなりますよ。
デザインも豊富!プレゼントにもぴったりです♪
<ヘチマ>
細かい繊維が汚れをからめ取ります。
乾燥すると硬くなるので、使う前に水やお湯でよく揉みほぐしてください。
吸水性が高いので、そのまま放置するとカビや腐る原因に。使ったあとは水気を切って、しっかり乾かすのがポイントです。
自分のやり方で自由に作ってみる!
もしあなたが編み物上手なら、コットンの糸を使ってスポンジの代わりになるものを作れます。
もう使わないガーゼや綿のTシャツを適当に切って使うのだって全然ありです。

コットン100%の糸で編んだ食器洗い
【動画】綿100%の糸で編む「コットンたわし」
コットンたわしの編み方をこちらの動画で紹介しています▼
他にもいろいろなやり方があります。
プラなしをするのに決まったやり方はありません。
あなたの自由なアイデアが、新しいスタンダードになるかもしれませんよ。

市販のステンレスの柄に、適当な大きさに切ったセルローススポンジを組み合わせたマイボトル洗い
まとめ
いかがでしたか?
ここでは化繊のスポンジに代わる、コットンたわしや植物性のスポンジをご紹介しました!
化繊のスポンジを使っていると、気づかないうちに表面がボロボロに。普段意識せず見過ごしていますが、よーく見てみてください。
欠けたり毛羽立ったりしている部分がたくさんあるはず。
これ以上スポンジのマイクロプラスチックを流してしまわないよう、一人でも多くの人が気づいてくれることを願っています。
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