昔の道具を見直すと、いろんなものがプラスチッフリーにできることがわかります。
「ほうき」もそんな道具の一つ。でも実際使い勝手がいいかどうか、どんなほうきを選べばいいのか気になります。
ここでは掃除機からほうきにするメリットや選び方をわかりやすくご紹介!
ほうき=エコ以上の価値をきっと感じてもらえるはずです。
プラごみ・電気ゼロ!ほうきでお掃除する7つのメリット
ほうきはプラスチックフリーな掃除道具の一つですが、使ってみると想像以上にたくさんのメリットを実感できます!
①電気がいらない
ほうきは電気がなくても使えてエコ!
また、掃除機だと家中かけるのにコンセントをあちこち変えたり、機種によっては充電が必要になったりしますよね。
そんな煩わしさがないのもほうきの良いところです。
②手軽に使える
ほうきは手に取った瞬間からお掃除を始められます♪
掃除機だと、まずコンセントのある場所まで移動。電源コードを引き出してコンセントに挿し、ノズルの長さを調節してからやっとお掃除開始。
ほうきにそんな手順はなし!手軽に始められます。
狭い場所も簡単♪ 掃除機のようにノズルの付け替えもいりません。
また、重たい掃除機はそれだけで重労働ですが、ほうきは軽々と家中掃いて回れます。
③消耗品がいらない
ほうきには消耗品がいりません。
紙パック式の掃除機は、ずっと紙パックを買い続けないといけないですよね。
紙パックといっても中身は化繊の不織布。パッケージのプラ袋もゴミになります。
紙パックを取り替えずにいると、吸引力が落ちてしまうので定期的に取り替えが必要です。
でもほうきはそんなこととは無縁。お財布にも優しいです^^
④音が静か
ほうきは音を立てずにお掃除できます。
赤ちゃんがいるご家庭は特におすすめ!赤ちゃんが寝ている間に起こすことなくささっと掃除できるし、排気もないので安心。
夜中にお掃除することだってできます。
⑤メンテナンスがほぼ不要
ほうきはメンテナンスがほとんどいりません。
強いて言うなら、毎回使った後に穂先についた髪の毛やホコリを払うくらい。一瞬で終わります^^
掃除機だとヘッドにからまった髪の毛(これが超厄介!)など、定期的にパーツのお手入れが必要ですよね。
パーツが壊れたりすると交換したりと、何かと手がかかることが多いです。
⑥細かいところも掃除しやすい
ほうきは1本でいろんなところをお掃除できます♪
部屋の角やテーブルの脚周り、家具の隙間など、掃除機では届きにくいところも楽々。
狭いところにも穂先が入り込むので、今までスルーしてきたチリやホコリがしっかり出てきます!
⑦収納に困らない
ほうきは省スペースで収納できます。
壁やラックにひょいと吊るしておくだけ。ほうきは自然の風合いがそのまま生かされているので、見える場所に掛けても素敵になります♪
掃除機の代わりに!プラフリーな2種類のほうき
メリットいっぱいのほうき!ここではフローリングや畳に使える「棕櫚箒(シュロほうき)」と「江戸箒」をご紹介します。
丈夫で長持ちする「棕櫚箒(シュロほうき)」
棕櫚(シュロ)の木の皮で作られた棕櫚箒。
棕櫚の皮はとても丈夫で長持ち。昔から綱やロープ、網として使われてきました。
棕櫚箒には「鬼毛箒」と「皮箒」の2種類があります。
鬼毛箒
鬼毛とは、棕櫚の皮をほぐした太くて硬い上質な繊維のこと。
鬼毛をさらに1本ずつ選別した「本鬼毛箒」は上級品で、「一生に3本あれば足りる」と言われるほど。
棕櫚の繊維は弾力があって掃きやすいのが特徴。髪の毛やホコリが集まりやすく、使い続けると床や畳にツヤが出てきます♪
使い続けると穂先が少しずつ摩耗して短くなっていきますが、切りそろえてメンテナンスすることで10年以上はもつと言われています!
皮箒
「皮箒」は使い切りの棕櫚箒。鬼毛箒より手に取りやすい価格で、昔から一般家庭で広く使われてきました。
皮箒は棕櫚の木の皮を1枚ずつ丸めて束ねたもの。
繊維は鬼毛箒より細く柔らかいのが特徴。そのため掃き心地も柔らかく、粉状のチリやホコリも良く取れます。
棕櫚箒は、新品のうちは茶色の粉(樹脂粉)が出ます。使う前に外ではたいて下さい。だいたい3〜4回の掃除で粉がなくなっていきます。
\ 棕櫚はタワシにもおすすめ! /
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カーペットやラグにも使える「江戸箒」
江戸箒はイネ科の「ホウキモロコシ」というトウモロコシによく似た植物から作られたもの。
職人さんがホウキモロコシの草を1本1本選別し、丁寧に編み上げて行きます。
上質なものは10年以上もつと言われています。
棕櫚箒より厚みが薄く、軽くて扱いやすいのが特徴。繊維が太くて弾力が強いため、スリムな形でもしっかりと掃くことができます。
フローリングや和室はもちろん、カーペットやラグにも使えますよ。
コシがあってよくしなるため型崩れもしにくく、手首への負担が軽くなるメリットもあります。
シンプルな編み目模様も特徴。粋(クール)な江戸っ子の好みに合わせて、合理的でモダンな作りになっています。
フローリング・畳におすすめなほうきの選び方
棕櫚箒と江戸箒、どちらも素晴らしい日本の箒ですが、どんなポイントで選んだらいいのでしょうか?
箒のサイズも考慮に入れて、選び方を見ていきましょう!
【棕櫚箒 or 江戸箒】掃く場所や耐久性で選ぶ
棕櫚箒と江戸箒、どっちがいいか迷ったら参考にしてみてください。
フローリング・畳がメインなら「棕櫚箒」
フローリングの床や畳が大部分なら棕櫚箒がおすすめ。
江戸箒より繊維が細くて柔らかいので、細かい埃もキャッチしてくれます。使い続けると床に艶も出てきますよ。
カーペットやラグも掃除したいなら「江戸箒」
カーペットやラグもあるなら江戸箒が使いやすいです。
棕櫚より繊維が太く弾力があるので、カーペットの中のゴミも軽く掃くだけでみるみる綺麗になります。
とにかく長く使いたいなら「棕櫚箒」
1本を長く使いたいなら耐久性のある棕櫚箒を。
中でも丈夫な繊維を集めて作られた鬼毛箒、予算があれば鬼毛をさらに選別した本鬼毛箒がおすすめです!
【サイズ】掃除する広さで選ぶ
箒のサイズには3つの種類(長柄箒・手箒・小箒)があります。お掃除する範囲で決めてみてください。
一軒家まるごとなら「長柄箒」
全長120〜140cmの最も長いタイプ。両手で持って、かがまずに掃くことができます。
膝や腰への負担が少ないので、広い範囲や天井など高いところのお掃除向き♪
江戸箒は穂先にボリュームが出るため、集めたゴミをちりとりに掻き入れるのが難しいことがあります。
その場合、よりコンパクトな手箒や小箒があると便利。
1〜3部屋くらいなら「手箒」
全長60〜80cmの手に取りやすい長さ。
気になった時にささっとお掃除できる箒です。コンパクトで扱いやすいので、狭いところにもいいですよ。
でも長い時間掃いていると、腰に負担がかかります。場所を決めて使うとちょうどいいです。
掃除機と兼用したい人や、初めて箒を持つ人におすすめ!
狭いスペースなら「小箒」
全長20〜60cmの一番小さいタイプ。
長柄箒・手箒では掃きにくいところのお掃除に便利。
ちりとり用やサッシ用、机用などいろいろな種類があり、使い方に応じて選べます。
江戸箒と棕櫚箒でお掃除したら快適だった!
ここでは2種類のほうき+はりみ(ちりとり)をレビュー♪
プラなしするのが大きな目的でしたが、実際使ってみるとそれ以上の価値がありました!
白木屋傳兵衛の江戸箒(手箒サイズ)
白木屋傳兵衛は江戸箒の老舗。
こちらは全長約80〜85cm。商品名は長柄箒でしたが、実際は手箒サイズです。
初めての箒にこちらを選んだのは、
- サイズと価格が手頃
- フローリング・和室のほかラグも掃除したい
- ちりとり(はりみ)もセットでついている
- 編み目の模様が好き
という理由です^^
江戸箒は「太くて硬い」というイメージ。外掃き用みたいにゴワゴワしているのかと思いきや、しなりがとても良くて、柔らかさも感じます。
重さはたったの200g!パッと手にとってすぐ使える手軽さに感動。
ホコリや髪の毛がみるみる集まるのも見ていて楽しいです。
掃除機(特に紙パック式)だとわからないゴミの量が一目瞭然で、ものすごい達成感!
ラグは掃除機だと吸い付いたりして厄介ですが、軽く掃くだけでとてもスッキリします。
階段掃除も楽々!
掃除機が届かない狭い隙間にも穂先が入り込みます。
畳を掃く時の「サーッ」という音も気持ちいいです。
ゴミは一ヶ所に集めてちりとりへ。でもこの時、どうしても自分の動きで綿ぼこりが飛んでしまいます…。
盛大に散らないよう気をつけつつ、あまり神経質にならないようにしています。
もちろん掃除機の方が短時間ですみます。でも箒の方が隅々までスッキリして気持ちがいい♪
柱にぶつけたりひっくり返ったりしないし、軽くて音も静かで、とにかくストレスフリー!
とはいえ、さすがに手箒で家中を掃いて回ると、手や腰が辛くなってきます…。
もっと広範囲に使える長柄箒なら本格的に掃除機がいらなくなりそうです。
▼この記事で使った江戸箒はこちらです♪
山本勝之助商店の棕櫚箒(小箒サイズ)
山本勝之助商店は棕櫚箒の老舗。
こちらは長さ30cmほどの小箒。細くて柔らかい繊維が密集して、ボリュームのある穂先です。
机に散らばった消しゴムのカスも簡単に集められます♪
穂先より上の部分はしっかり固定されていて、安定した掃き心地。
昔使っていた安物(コシがなく、毛もポロポロと抜け落ちる)とは全く別物で感動しました。
▼この記事で使った棕櫚箒(小箒)はこちらです♪
紙のちりとり「はりみ」
ちりとりもプラスチックフリーに!
「はりみ」という昔のちりとりは紙製。竹ひご・和紙で作られ、柿渋(防虫効果のある自然塗料)が施されています。
はりみにもいろんなサイズがありますが、こちらは大きいタイプ。
幅は約32cm。長柄箒・手箒とセットで使うならこのくらいのサイズがおすすめです。
紙だからとても軽く、このサイズで約70gしかありません!
使うときは、はりみを床に押し付けます。そうすると床にピッタリ沿って、隙間がなくなるんです。
プラスチックのちりとりは静電気が起きやすいので、ゴミがくっついて扱いにくいですよね。
はりみは自然素材なので静電気が起きにくく、サラサラとゴミ箱に落とすことができますよ♪
ミニサイズのはりみもあります。幅は約21cmで小箒にちょうどいいサイズ。
箒と一緒に吊るして見せる収納にしても素敵。北欧テイストのインテリアにも合いそうです^^
▼この記事で使った箒とはりみのセットはこちらです♪
ほこりが舞う?ほうきの使い方&お掃除のコツ
毎日のお掃除に、ほうきがより扱いやすくなるコツやメンテナンスの方法をお伝えします。
穂先は寝かさず、畳・床目に沿って掃く
掃く時は穂先を寝かさずに立て、床を撫でるように軽く履きます。
床に強く押し付けると、穂先が変形して使いにくくなってしまいます。
効率よくゴミを集めるため、
- 畳や床板の目に沿って動かす
- 部屋の風上から風下に向かって掃く
- ハタキで高いところを掃除した後、最後に床を掃く
ということにも気をつけるといいですよ^^
お茶殻や湿った新聞紙で埃を吸着
ホコリが舞うのを防ぐ昔ながらの知恵も!
少し湿ったお茶殻を床にまいて、お茶殻ごと掃いていきます。そうするとゴミがお茶殻にくっついて、ホコリなどが舞い上がりにくくなるんです。
お茶殻の代わりに湿らせてちぎった新聞紙でも代用できます。
10年以上もつメンテナンス方法
保管
収納するときは、直射日光に当たらない場所に吊るして保管してください。
床の上に直に立てたり、逆さま(穂先を上)にして立てたりするのはNG!
穂先が広がって使いにくくなります。
日常のお手入れ
日常的なお手入れはほとんど不要。掃いた後にホコリや髪の毛が絡まっているなら取っておくくらいです。
掃きぐせの直しかた
長年使い続けると、「掃きぐせ」がついて毛先が広がっていきます。
そんな時は霧吹きで軽く湿らせて、タワシなどを櫛の代わりにして繊維を整えます。(寝癖を直すときと似てますね)
ただし、濡らすとき水洗いは厳禁です!
あとは穂先を下にして吊るし、自然乾燥させてください。
江戸箒は最後は玄関用にする
次第に穂先が摩耗して細くなってきたら、ハサミで切りそろえます。
都度切りそろえながら使い続けると、7〜8年くらいで穂先きの長さは3分の2から半分ほどに。
そうなったら、玄関や屋外用に!
10年くらいは箒としての役目を果たしてくれますよ。
まとめ
いかがでしたか?
ここでは掃除機の代わりにほうきを使うメリット、棕櫚箒・江戸箒の特徴や選び方をお伝えしました。
ほうきはプラスチックごみになる消耗品が出ないばかりか、掃除機より手軽でお手入れも簡単!
確かに掃除機の方が早いですが、目に見えてごみが集まる充実感と掃き終えた後のスッキリ感はちょっと病みつきになります。
エコ以上にそんなほうきの良さを感じられたら、それはプラなし生活を楽しめている証拠です^^