アマゾン川に生息する淡水魚も、プラスチックを食べていることが初めて報告されました。
アマゾンの主流の一つであるシングー川で、魚の摂食生態を調査していたパラ大学(ブラジル)の研究チームが魚の胃の内容物を分析したところ、その80%以上からプラスチックの粒子が見つかりました。
調査した魚の種類は、雑食性のパロットパクー、草食性のレッドフックメチニス、肉食性のピラニア・ナッテリーを含む16種172匹。このうち13種46匹がプラスチックを食べていました。
見つかった96個のプラスチックのポリマーを分析すると、もとはレジ袋、ペットボトル、漁具などであることを特定。その大部分は黒、赤、青、白または半透明で、大きさは1mmほどの粒子から15mm程度の小片など様々。
その4分の1は漁網に使用されるポリエチレン、そのほかはレジ袋・ペットボトル・プラ包装に使用されるPVC、ポリアミド、ポリプロピレン、レーヨンでした。
魚たちは、どうしてプラスチックをエサと間違えるのでしょうか。
報告書(Marcelo C. Andrade et al. 2018)によると、川の植物を食べる草食魚はプラスチックを種や果物・葉っぱと間違え、雑食魚は栄養価の高い水生植物に引っかかったプラスチックを一緒に食べてしまっている可能性が指摘されています。
さらに、肉食魚はすでにプラスチックを食べた魚をエサにし、自らもプラスチックに汚染されていくと推測しています(これをマイクロプラスチックの二次摂食といいます)。
海で見つかるプラスチックの約5分の1が河川から来ています。廃棄物の不十分な管理や水路への投棄によって、ゴミが河川へ入るのです。
アマゾンは、一人当たりの魚の消費量が世界一高い地域。マイクロプラスチックが人の体内に入るとどんな影響があるのかわかっていませんが、衛生的な面でも問題があると調査チームのGiarrizzo氏は述べています。
今回の調査では、魚の胃の内容物の平均22〜37%がプラスチックだったことを受け、内臓の損傷や、プラスチックに含まれる毒性のある化学物質の影響を危惧する専門家の声もあります(The guardian Nov 2018)。