UKの沿岸域で採集される二枚貝やスーパーマーケットで購入した全ての二枚貝から小さなプラスチック片や他のごみが見つかったとのことです。UKの研究者が報告しました(Brunel University London 08 Jun 2018)。
UKの8つの沿岸域で採集された野生の二枚貝、そして8つのスーパーマーケットで購入した二枚貝のすべて(100%)がマイクロプラスチックと他のごみ(綿やレーヨン)を体内に含んでいたことがわかりました(Li et al. 2018)。
人間活動が排出したマイクロプラスチックと他のごみは、海の極めて広範囲に広がっており、沿岸域やスーパーマーケットの貝が汚染される原因になっています。
この研究によって、UKにおいて人々が食べるシーフードがプラスチックで汚染されているのは「当たり前」なっていることがわかりました。
100グラムの二枚貝を食べることで、70個のごみやマイクロプラスチックを食べることになります(Li et al. 2018)。
しかし、これらの小さなごみを食べることが健康にどれかけ悪いかは不明で、さらなる調査が必要です。
二枚貝は、濾過食性の動物で、海水を吸い込み、海水中の粒子(プランクトンなど)を濾しとって食べています。そのときに、海水中の小さなプラスチックの粒も食べてしまうのです。
お店で買う養殖した二枚貝よりも、野生の二枚貝にはもっとたくさんのごみが含まれていることもわかりました(Li et al. 2018)。
しかしながら、スーパーマーケットで購入する二枚貝は、外国から輸入されてくるものもあり、それがもし冷凍ものだったり調理済みのものの場合は(獲れたての二枚貝に比べて)より多くのごみを含んでいることもわかりました。
報告によれば、二枚貝の体内からでてきたごみのうち、約半分はポスエステルやポリエチレンなどのマイクロプラスチックでした(Li et al. 2018)。
今回、マイクロプラスチックが(調査した)全ての二枚貝から見つかったわけですが、なにもシーフードだけがマイクロプラスチックに汚染されてるわけではありません。
飲み水からも見つかっていますし、息を吸い込んだってマイクロプラスチック(特にマイクロファイバー)が体内に入ってきています。
明らかなことは、いま刻々と世界中で大量にプラスチックが生産され、一瞬で消費され、ただちに捨てられごみとなり、一部が海に漏れ出していることです。
海のプラスチックごみはうなぎ登りに増え続けています。同時に、マイクロプラスチックの濃度も増え続けるでしょう。
マイクロプラスチックによる海洋環境のグローバルな汚染は増大しています。
野生動物を脅かし、食物連鎖に入り込み、私たちが捨てたごみが、やがて私たちの食事に帰ってくるルートを作り出しているのです。