チューインガムは使い捨てプラスチック?

チューインガムを膨らませる女性

チューインガムはお好きですか?虫歯予防のためにキシリトールガムを噛んでいる方も大勢います。ところで、ほぼ全てのチューインガムは、プラスチックで出来ていることを知っていましたか?

はい、ガムを噛んでいるということはプラスチックを噛んでいるという事です。

街の歩道に吐き捨てられたガム。べちゃっと路上に張り付いて丸く黒い塊になっています。あれ、ずっとなくなりませんよね。プラスチックだからです。

初期のガムは天然物質

チューインガム(Chewing gum)は元々、”チクル”という天然ガムから作られていました。南米で採取されるサポジラの木の樹脂(樹液)を煮て作られていた天然樹脂です(Chemistry.About.com)。

チューインガムの歴史は古く、古代ではアステカ族やマヤ族などがサポジラなどの樹液を噛んでいたようです。これがのちのヨーロッパに広まっていったといいます。味もしないため、これに色や味をつけて売り出していました。

しかし天然チクルの生産量の減少やコスト高、そして第二次世界大戦後からは合成樹脂が開発され、現代のチューイングガムは天然樹脂からポリ酢酸ビニルなどの合成樹脂に変化してきました。

市場では100%自然素材からできたガムも売られてはいますが、それはかなり少数で、他のほとんどのガムは人工的に作られた合成樹脂なのです。いまでは天然のチクルを使い続けているガム会社はほとんどなく、アメリカのグリーガム社など、ほんの僅かになってしまいました。

チューインガム

ガムの原料となるガムベースとは?

さて、ガムベースの原料となるポリ酢酸ビニル(polyvinyl acetate)とは何でしょうか。ポリ酢酸ビニルは、酢酸ビニルを重合して得られる無色透明の熱可塑性樹脂で、木工用ボンドなどの接着剤、洗濯糊、乳化剤などにつかわれるポリマーです。

ポリ酢酸ビニルは危ないのでしょうか?食品衛生法では問題ないとされていますが、ある実験では、ポリ酢酸ビニルの原料モノマーである酢酸ビニルによって実験用のネズミに腫瘍が発見されたことが報告されています(International Agency for Research on Cancer, Agency for Toxic Substances & Disease Registry)。

2008年、カナダ政府はチューイングガム製品に含まれている可能性のある酢酸ビニルを有害物質として取り扱う事を示唆しましたが、「ほとんど入っていない、もしくは入っていても害がないほどに微量」という菓子/ガム産業からの反発によって、取り扱いへの注意も緩和せざるをえなかったそうです(Ecologist 2010)。

しかし全てのチューイングガムがポリ酢酸ビニルから製造されているのでしょうか?ラベルに記載されている原材料に注目してください。もし「ガムベース」で作られている商品であったら、その中にポリ酢酸ビニルや、ペトロリアム、ラノリン、グリセリン、ポリエチレン、ペトロリアム蝋、ステアリン酸、合成ラテックスが含まれている可能性があります(U.S. FOOD & DRUG)。実際になにが使われているかはわかりません。

問題は私たち消費者が知らないうちにそれらを摂取しているかもしれないという事です。例え上記の材料が含有されていたとしても製造者にはその全てを記載する義務がないのが事実です。これまでに特に健康にトラブルは報告されていないから表示する義務もないのでしょうか。

チューインガムを口に入れる女性

チューインガムは使い捨てプラスチック

その上、考えてみてください。「プラスチック」のチューインガムが口の中にある時間は数分〜数十分。口から出してゴミ箱行き。まさに「使い捨てプラスチック」です。

噛まれた「プラスチック」のチューイングガムはどこへ行くのでしょうか。適切にゴミ箱に捨てられれば焼却炉行き。多くの国では埋め立て地行き。さもなければ、環境中に放出され、新たな生物分解できない産物として私たちの地球上に半永久的に残り続けるでしょう。

「プラスチックな」チューインガムをやめる。もしチューインガムが生活から外せない必需品だとしたら、天然素材だけで作られたガムはどうでしょう。噛むなら、天然ゴムのチューインガムを。

米国カリフォルニア州で人気のある天然ガムのチューインガムはシンプルガムです。