プラなし炊飯鍋でごはんをおいしく炊く!フッ素加工の内釜は消耗品

土鍋で炊いたご飯と木のしゃもじ

毎日の料理、少しでもプラなしにできないものでしょうか?

ごはんを炊くシーンにもプラスチックの大量消費は潜んでいます。

ここでは炊飯用の鍋で美味しくごはんを炊く方法や、おひつ・木製のしゃもじといったアイテムもご紹介!

機械に頼らないスキルや、昔ながらの暮らし方も身につきますよ。

フッ素コーティングのお釜は消耗品!

電気炊飯器の内釜の多くはフッ素樹脂(プラスチック)でコーティングされています。

長年使っているとコーティングが剥がれてきませんか?

フッ素加工が剥がれた内釜の底

その主な原因は、

  • お釜の中でお米を研ぐ
  • 洗うときに金属製の調理器や食器を入れる
  • 化繊のスポンジで強くこする
  • 指輪をして洗う
  • しゃもじでこする

などが挙げられます。

こうして剥がれたフッ素樹脂は水に流されたり、場合によっては口に入ったり。マイクロプラスチックとして環境中や体内に入っていくことが考えられます。

フッ素加工が剥がれた内釜の縁

また、コーティングが剥がれると火の通りにムラができます。そのためメーカー側も内釜の保証期間を設けており、消耗品という扱いに。

内釜だけの交換もできますが、場合によっては炊飯器まるごと買い替えたほうが安く済むことも…。

いずれにせよ、フッ素加工の内釜である限り「消耗し続ける」という問題がつきまといます。

お米は鍋で炊く!炊飯鍋の4つのいいところ

そんな炊飯器から生じるプラスチック汚染を避けるため、お米は炊飯鍋で炊くようにします

土鍋はもちろん、ル・クルーゼのような厚手の鍋や、普通のアルミ鍋だって十分おいしく炊けるんですよ♪

①炊飯器よりお手頃な価格で手に入る

赤い財布と外国紙幣とコイン

炊飯鍋なら購入時の出費を抑えながら、おいしいご飯が毎日楽しめます♪

大火力で高性能な炊飯器は10万円弱。炊飯鍋なら一般的なもので2~4千円高くても2万円前後でかなりいい商品が手に入ります!

もちろん手持ちの鍋でもOKです。それならコストゼロ!

②炊飯だけの用途に縛られない

男女が料理しているキッチン台にあるル・クルーゼの鍋

炊飯器だとほぼお米を炊くことだけに限定されますが、鍋なら普段の料理にも活用できます。

一つの鍋でいろんな料理が作れるように、お米だって料理の一つとして鍋で気軽に炊けるんです。

③料理に自信がつく

ムール貝をフライパンで炒めている様子

鍋でお米が炊けるようになると、普段の料理にも自信がつきます。

というのも、鍋の場合は自分で火加減、水の量、炊く時間をコントロールしなくてはいけません。これは炊飯器では得られないスキルです。

もちろん慣れればルーチンワークでできるようになります。

音や匂いも感じながらおいしく炊き上げる。うまくいくようになると、ほかの料理にもその感覚が活かせるんです。

④炊き上がりが早い

壁時計

鍋で炊いてみて驚くのがその炊き上がりの早さ!

炊飯器だと約1時間かかります。

鍋の場合、蒸らし時間を入れて30~40分で炊き上がります。火にかけている時間は実質20分ほど。意外とあっという間に出来上がるのでびっくりしますよ。

実は簡単♪ 鍋で炊飯する方法

一見難しそうな鍋での炊飯。でもやることは単純なので誰でもマスターできます!

土鍋でごはんを炊く方法

炊飯用の土鍋は各メーカーからいろんな種類が出ています。

ここでは、かもしか道具店の「ごはんの鍋」で炊いてみました!使い方とともにご紹介します。

▼この記事で使っている土鍋はこちらです♪

【Step1】お米を研いで水につける

1. お米を計量し、ボウルやザルに入れて研ぐ

2. 水に浸水させる

ボウルに水を張って、1時間ほど浸水させます。

お米を浸水させている様子
浸水後のお米
水を含んだお米は真っ白に♪

3. 鍋に移して水を加える

水の量は2合で450ml3合で600mlが目安。

目分量で「お米に1cmくらいかぶる程度」と覚えておくと計量する手間がありませんよ。

お使いの土鍋の説明書も参考にしてみてください。

土鍋にお米を移して水を加える様子
炊飯鍋に計量した水を入れた様子

【Step2】火にかける

1. 最初は強めの中火にかけます

強めの中火で炊飯鍋に火をかける様子

12~15分ほどすると沸騰して、蓋がカタカタ!

炊飯鍋の中身が沸騰している様子

2. 弱火にする

蒸気が出てきたら弱火で5分ほど炊く。時間を延ばすとおこげができます♪

炊飯鍋を弱火で炊く様子

【Step3】蒸らす

1. 火を止めて蒸らす

火を止め、蓋は取らずに約20分蒸らします。

2. ざっくりほぐす

しゃもじで上下を返すようにざっくりとほぐしたら出来上がり!

出来上がったご飯をしゃもじでほぐす様子

土鍋は「おひつ」にも

小さめの土鍋ならそのままおひつとして使い、冷蔵庫に入れておくことも可能。

かもしか道具店の「ごはんの鍋」は電子レンジに対応しており、温めができて便利です。

使い始めは「目止め」を行う

土鍋は使い始めに目止めという作業が必要。ひび割れや水漏れ、におい移りを防ぐことができます。

お米(2合ほど)のとぎ汁を鍋の8分目まで注ぎ、蓋をせず火にかけます。沸騰したら火を止め、冷めるまでそのままに。その後洗って乾かします。

普通の鍋でごはんを炊く方法

手持ちの普通の鍋でもごはんは炊けるんです。

▼動画で詳しくチェック!


https://youtu.be/a79EvSi-W2A

【Step1】お米を研いで水につける

やり方は土鍋編と同じ。

【Step2】火にかける

1. 最初は強めの中火にかける

ブクブクし始めたらスプーンで上下を返し、平らにならします。

炊飯中のお米の上下をスプーンで返している様子
ぐるぐるかき混ぜないこと!

そのまま蓋をしてしっかり沸騰させます。火にかけて10分くらいで沸騰するのがベスト

炊飯中にできるカニ孔
「カニ孔」という小さな孔が見えたらちゃんと対流が起こっている証拠♪

2. 沸騰したら弱火にする

弱火にして10分ほど炊きます。

表面の水気がなくなればOK。残るようなら時間を延ばします。

3. 最後は強火で加熱

最後は強火で20~30秒ほど炊きます。パチパチと音がしたらおこげができる合図。

強火で炊き上げる様子

【Step3】蒸らす

1. 火を止めて蒸らす

土鍋と違って保温性はないため、バスタオルで包んで20分ほど蒸らします

テーブルの上にひいたバスタオルに鍋を乗せる様子
テーブルの上にバスタオルをひいておきます
バスタオルで鍋を包む様子
四方を重ねて包みます

2. ざっくりほぐす

しゃもじで上下を返すようにざっくりとほぐします。

蒸らしたご飯をしゃもじでほぐす様子

3. 「おひつ」に移してできあがり!

おひつに移したご飯とお茶碗によそったご飯
鍋のままでもいいですが、おひつなら美味しさを保てます。

炊飯鍋の4つの選び方と人気のおすすめメーカー

ぴったりな炊飯鍋を選ぶポイントとは?人気の炊飯鍋も各種ご紹介!

鍋のタイプ

炊飯鍋には主に土鍋(萬古焼、伊賀焼、セラミックなど)、鋳鉄鍋(鉄)、文化鍋&無水鍋(アルミニウムなど)、琺瑯鍋の4つのタイプがあります。

●土鍋
全体に熱が伝わりやすく、ふっくら炊き上がります。ガスコンロ専用のものが種類が豊富で価格もお手頃です。

▼この記事で使っている土鍋はこちらです♪

●鋳鉄鍋
南部鉄器が有名。かなり重たいですが、気密性・蓄熱性が高いのが特徴。

●文化鍋や無水鍋
お手入れが簡単。ツヤツヤとした炊き上がりが特徴。無水鍋なら炊く・蒸す・煮る・茹でるができて多機能!

●琺瑯鍋
staub(ストウブ)が人気。蓄熱性が高く弱火で手早く炊けます。おしゃれなデザインが多いのも魅力。

サイズ

炊飯鍋はサイズも豊富。小さいもので1合、大きいものだと5合以上あります。

目安は1人あたり1合弱。1~2人暮らしなら2合サイズ、4人なら5合サイズ以上が安心です。

IH対応

IHコンロをお使いの場合は、対応しているかどうか必ず確認!

鍋底が小さい1合サイズなどはセンサーが反応しないことがあります。

電子レンジ対応

そのままおひつとして使える土鍋タイプは、電子レンジに対応しているかもチェック!

冷蔵庫から出して、電子レンジで温めできると楽チンです。

炊飯鍋のオトモに。「しゃもじ」や「おひつ」もプラスチックフリー!

セラミックのおひつと木製のしゃもじ

伝統的な木製のしゃもじと、セラミック製のおひつはいかが?

木製のしゃもじ

ごはんがくっつかないプラスチック製のしゃもじ。Wエンボス加工といって表面の凹凸にさらに細かな凹凸が施されています。

プラスチックのしゃもじでご飯をすくう様子

でも使っているうちにくっついてきませんか?それはデンプン質が表面に蓄積したり、傷や摩耗で凹凸がすり減ったりするからです。

後者は耐久性の問題。こうなると元の性能は戻りません。

しゃもじは木製がおすすめ!

水に浸しておけば、ごはんがくっつくことなくよそえます。

\ 使い方 /

  • あらかじめ水に浸しておく
  • 洗うときはやさしく水洗い。洗剤はしみこむのでNG。
  • カビを防ぐためよく乾かす

こちらは東屋の「杓文字 宮島」。梓(あずさ)という広葉樹から作られた国産の伝統的なしゃもじです。

東屋のしゃもじを握っている様子
安心の無塗装。ざらつきがありますが、使い込むうちに滑らかに。
持ち手に印された東屋のロゴ
持ち手には東屋のロゴ

ご飯が炊き上がるまでの間、深めのコップなどで水につけておきます。そうするとしっかり水分が吸収され、ご飯がくっつきません♪

しゃもじを水の入ったコップに浸している様子
木のしゃもじでご飯をよそう
水に浸しておけばお米がくっつかない

水だけで洗って、あとは自然乾燥でよく乾かしておきます

自然乾燥中のしゃもじ
乾きは早いです!

▼この記事で使っているしゃもじはこちらです♪

セラミックのおひつ

鍋で炊いたごはんはおひつに!おひつが湿度を調節して美味しさを保ってくれます♪

おすすめは電子レンジ可能なセラミック製。

セラミックのおひつ

セラミック表面には無数の小さな穴があります。そこから余分な水分を逃し、逆に乾燥していると水分を取り込む働きがあるんです。

▼この記事で使っているおひつはこちらです♪

自然の調湿作用で、1日程度ならパサつきなくご飯を保存できますよ。

おひつに入れた炊きたてのご飯

炊きたてのごはんをおひつに移して、熱が取れたらそのまま冷蔵庫へ。

冷蔵庫に入れたおひつ

湯気による水滴が気になるときは、間に布巾を挟むといいですよ。

蓋の下に布巾を挟んだ状態のおひつ

次に食べるときはおひつごと電子レンジで温めるだけ。簡単です!もちろん、白米だけでなく炊き込みご飯も大丈夫です。

木製のおひつ
椹(さわら)や檜(ひのき)といった木製のおひつはさらに調湿作用が高く、抗菌性にも優れています!
ただし、洗ったあとは布巾で水気を拭き取り、よく乾かすこと。黒ずみが出ないよう管理に注意がいります。

まとめ

ここでは鍋での炊き方や、おひつや木製のしゃもじといったアイテムをご紹介しました。

フッ素樹脂(プラスチック)された炊飯器の内釜は消耗品。使っているうちにコーティングがどうしても剥がれてきます。剥がれたプラスチックの行方も心配…。

長持ちしない調理器とはさよなら!ぜひごはんもプラスチックフリーに、さらにおいしく楽しんでみてください。

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