化粧品のLUSH(ラッシュ)は、カナダのバンクーバー島の周辺で回収した海洋プラスチックごみを再利用して、商品のボトルやフタを作るアイデアを思いつきました(LUSH)。
LUSHが、カナダのバンクーバー島の海岸や太平洋でプラスチックごみを回収している団体オーシャンレガシー(The Ocean Legacy Foundation)のパートナーになったのは2015年のことです。
プラスチックごみの回収場所が、バンクーバー市にあるLUSHの北米本社に近かったことが縁となり、また、LUSHの動物実験は行わないという理念が海洋動物を苦しめているプラスチック問題と合致したようです(treehugger July 11 2017)。
毎年、多くの海洋動物がプラスチックごみに絡まり、誤飲し、死亡していることが明らかにされています。
海洋プラスチックを原料に
海からプラスチックごみを回収したら、今度はそれをどうするかという問題があります。理想的には、リサイクルされて新しい商品に生まれ変わり、新規にはプラスチックを必要としないことでしょう。
しかし実際には、ごく僅かな企業がそれを試みている程度です。たとえばコンピュータのデルは、2017年4月から海洋プラスチックごみを原料にした梱包材を使って出荷を始めています(DELL 2017)。
回収した海洋プラスチックごみを再利用する流れを作るには、大企業による大きな動きが必要でしょうし、そういう意味でも今回のLUSHによる取り組みには大きな意味があります。
LUSHは、回収された海洋プラスチックごみを、一般にリサイクルされるプラスチックと混ぜ合わせ、100%再利用したプラスチックで透明なボトルや黒いフタを製造しています。
すでに海洋プラスチックを再利用している商品には、レイニーシーズンシャワージェルやチャリティポットローションなどがあります。
今のところ容器に含まれる海洋プラスチックの割合は5%ですが、今後はその割合を徐々に増やしていく計画だそうです(treehugger July 11 2017)。