プラスチックストロー全面廃止!シアトルの偉大な決断

スターバックスのストロー

プラスチックストローを禁止することにしたシアトルのキャンペーン映像が公開されています。

プラスチックストローの問題

海洋プラスチック汚染と戦うためには、できるだけ多くの人を巻き込む必要があります。

簡単でやりやすく、取り組みたいと思わせるようなことから始めなければなりません。

プラスチックを一切諦めるような生活に一変するやり方よりも、プラスチックストローのような使い捨てプラスチックの使用をやめてもらうなどの小さなことから始めるべきです。

しかし古い習慣はなかなか変わりません。

カフェの店員は冷たい飲み物全てにプラスチックストローをさして出してきます(!)。

断る前に、すでにプラスチックが入った冷たい飲み物が差し出されます。

プラスチック製のストローは、その細い形状や小ささのために、ほとんどリサイクルされずにごみ箱に捨てられています。

あなたがたったの何分かのために使うプラスチックストローは、埋め立て地にいけば何百年も残ったままです。

アメリカでは1日に5億本のプラスチックストローが消費されていると言われており、世界中でも毎日、十億本以上もプラスチックストローが使用されています(Global Citizen)。

そして数えきれない程の量が最終的に海へたどり着いています。そして海洋動物に誤飲されていきます。

米西海岸ではじまったストロー撲滅キャンペーン

このプラスチックストローという、深く身に染みこんだ習慣を変える試みが、アメリカ西海岸のシアトルで始まりました。

シアトルでは、レストランやカフェ、ほかの食品サービス業での使い捨てプラスチックストローとカトラリー(ナイフ/フォーク/スプーン)が2018年7月1日から禁止になりました(Seattle Public Utilities)。

その施設は、スターバックスからスポーツ競技場にいたる3,100個所に及びます(Oceans Deeply)。

「シアトルのストローレス」運動は、プラスチックストローなしで済ますように市民を説得すること、レストランやバーやほかの企業がプラスチックストローの提供を中止するか、持続可能な代用品に変えるよう説得することを目標としています。

実はシアトルはすでに何百万ものプラスチックストローの削減に成功しています。

削減には、Lonely Whale財団や地元の企業、市の職員、海に優しい紙製ストローを製造している企業が協力しています。

すでにシアトル・マリナーズのホーム球場であるセーフコ・フィールドやNFLシーホークスのホームスタジアムであるセンチュリーリンク・フィールド、さらにスペースニードル、シアトル・タコマ国際空港といった会場で営業している200店舗のレストランがキャンペーンに参加しています。

今年9月には、シアトル内で1ヶ月の間に230万本の使い捨てプラスチックストローが廃止されました(Oceans Deeply)。

プラスチックのストロー

生分解性プラスチックストローの問題

2008年頃、シアトルは、レストランやカフェや他の企業が、使い捨ての包装容器に入れて食事を販売すること、自然分解しないorリサイクルできないカトラリー(ナイフ/フォーク/スプーン)やストローを提供する事を禁止する先駆的な条例を発表しました(Seattle Public Utilities)。

いまでも日本では食品の容器として極めてよく使われているポリスチレンや発泡スチロールの食品容器は2009年に禁止されました(Seattle Public Utilities)。

プラスチックストローとカトラリーの場合、適当な代替品が見つからなければ、条例に従うことは免除が許されましたが。その条例免除も2018年6月30日で期限切れになりました(Seattle Public Utilities)。

この条例がスタートしてから、生分解性のプラスチックストローがシアトル一帯で広く使われるようになりました。

しかしこれには落とし穴があります。

生分解性プラスチックのストローは、そのまま裏庭に捨てても分解されないのです。

ある一定の温度や微生物を必要とするため、特別な産業設備で処理する必要があるのです。

ましてや海に入ってしまったら半永久的に残り続けます。

再び注目される紙製のストロー

昔の紙製ストローはひどかったようで、すぐもろくなるし、飲み物が漏れていたようです。

プラスチックの出現でストローは安く、便利になりました。

しかしプラスチックストローによる環境問題の声が大きくなり、再び紙製のストローが注目されています。

ここ数年で、紙製ストローの耐久性はすさまじく進化しています。

「シアトルのストローレス」に参加している企業の多くが採用しているのが、海中でも生分解可能なAardvark社製の紙製ストローです。

カラフルな紙ストロー

他社でも紙製ストローが販売されていますが、漏れやすかったり、裏地がプラスチックでコーティングされている半分インチキな紙製ストローまであります。

Aardvark社の紙ストローは、1日中ドリンクの中に入れても漏れない丈夫な紙ストローです。

自社のインディアナ工場の周辺で持続可能な形で育てられた木から製造しています。

特別製の安全に飲めるインクのおかげで、ストローをカラフルなロゴにカスタマイズできます(Aardvark Straws)。

紙製ストローは広告を載せられる

シアトルの食品サービス業界が、最終的に紙ストローを選ぶか、生分解性プラスチックのストローを選ぶかどうかは、いまのところ任意のようです。

問題はコストです。おおよそですが、一般のプラスチックストローは0.5セントのコスト、生分解プラスチックのストローは1セント、紙製ストローは1.5セントのコストがかかります(Oceans Deeply)。

経済的に見ると、紙ストローはプラスチック製よりコスト高になります。

しかし紙製にしかできない大きなメリットがあります。それが広告です。

プラスチックストローにプリントはできませんが、紙製ストローなら企業のロゴなどをプリントでき、企業は1.5セントで広告ができるというわけです。

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スターバックスは?

シアトルのストローレス運動での注目は、なんといっても地元の巨大企業、スターバックスです。

自社店舗と認定店で26,000店以上を運営しており、自社の計算によると毎年20億本のプラスチックストローを使用しています(Sierra)。

シアトルに100店舗以上あるスターバックスは、生分解性プラスチックのストローで規制に対応するようですが(Starbucks melody Jun 2018)、もう1つニュースがあります。

スタバは2020年までにストローを廃止して、その代わりに「ストローなしのフタ」に変更するようです。

幼児のためにつくられた、液体がこぼれにくいデザインのコップの大人版といった感じでしょうか。

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