マイクロファイバー 環境中をどう移動するのかモデル化に成功

マイクロプラスチックファイバー

米ワシントン州立大学の研究者が、マイクロプラスチックの繊維(マイクロファイバー)が環境中をどのように移動するのか、初めてモデル化を行いました(Engdahl 2018)。

これまで研究者たちは、様々な環境中にあるマイクロプラスチックを調査・計測してきました。 環境中の汚染物質の動きを研究してきた同大学のNick Engdahl氏は、合成繊維がどのように移動するのか初めてモデル化に成功。

主に洗濯時に流れ出るマイクロファイバーは下水処理施設に行き着きますが、無視できないほどの割合がその「ろ過システム」をすり抜けていきます。 また下水処理場の汚泥に溜まったマイクロファイバー、汚泥が肥料として農地に使われたり、埋立地に捨てられた際に環境中に漏れていきます。

本研究は、マイクロファイバーが土壌に留まるか、または環境中で移動するかは、繊維の長さと水の速度が関係することを発見。 さらに、短いマイクロファイバーほど動きが複雑で、水中に溶けている物質よりも速く移動することも突き止めました。

今はラボでの観察によってモデル検証を行っていますが、今後は実際の廃水処理施設で測定を行う予定です。 実際の環境中での移動データが増えるほど、まだほとんど分かっていないマイクロファイバーによる環境影響の測定を正確に行えるようになると期待されています(PHYS.ORG Nov 2018)。