世界13カ国の水道水、米国のビール、世界各地で採集される海塩からマイクロプラスチックを検出したと、米ミネソタ大の研究チームが報告しました(Kosuth et al. 2018)。
世界14カ国(アメリカ・インド・ウガンダ・レバノン・イギリス・インド・キューバなど)で採取した水道水159サンプルを分析したところ、13カ国の水道水からマイクロプラスチックが見つかりました。イタリアのサンプルからは不検出。
アメリカ最多
検出率は81%と全体的に高く、特にアメリカの水道水からは1Lあたり最も多い約60個が検出されました(米国の平均値は9.2個/L)。アメリカについでマイクロプラスチックが水道水から見つかった国は、イギリス(7.7個/L)、キューバ(7.2個/L)、レバノン(6.4個/L)、インド(平均6.2個/L)などです(Kosuth et al. 2018)。
検出されたマイクロプラスチックは、ほとんどが衣服などの繊維製品に使われる化学繊維(マイクロプラスチックファイバー)で全体の98%以上を占めていました。
ただしインドのように一部の国の水道水からはプラスチック片も検出されました(Kosuth et al. 2018)。
ビールからも見つかる
同研究チームは、その他に欧州・アジア・アメリカなどで販売されている海塩12種類と、アメリカ・五大湖の周辺で醸造されたビール12種類についても調査を行い、その全てのサンプルからマイクロプラスチックを検出したことも明らかにしています(Kosuth et al. 2018)。
ビールからは平均4.1個/L、食塩からは平均212個/キログラムのマイクロプラスチックが見つかりました。
人の平均的な水道水、ビール、食塩の摂取量を考慮すると、ひとりあたりに、およそ5800個のマイクロプラチックを1年間の摂取することになります(Kosuth et al. 2018)。そのほとんどが水道水からきています。