水に流せるティッシュと生理用品がマイクロプラスチックになって海を汚染!

ウェットティッシュ

生理用品とウェットティッシュがアイルランドの水域でマイクロプラスチック汚染の原因の1つになっていることが判明しました(ScienceDaily june 23)。

ティッシュと生理用品が海洋に悪影響

アイルランドの研究者によって、ウェットティッシュや生理用品などの製品が海洋汚染の原因になると証明する研究が実施されました(Briain et al. 2020)。この研究によると、海洋の廃水処理プラントに隣接する堆積物には、市販の消費者向け生理用品(ティッシュや生理用ナプキン)に含まれる白いマイクロプラスチック繊維が常に散らばっていることがわかりました。

さらにアイルランドにあるマトン島のマイクロプラスチック繊維の91%は、ウェットティッシュと生理用ナプキンが原因の可能性があるとのこと。

マイクロプラスチックはバクテリアやウイルスなどの汚染物質が広がる媒介物として作用し、公衆衛生や海洋生物に潜在的に有害であることが広く知られています。

今後は多くの製品におけるプラスチックの偏在性について取り組む必要があると研究者は強調しています(ScienceDaily june 23)。

流しちゃダメ!水に流せるティッシュに要注意

さらに研究所は、COVID-19のパンデミック中に消毒用ウェットティッシュの使用が増える可能性があるため、海洋に独自の課題をもたらす可能性があると伝えています。

それと同時に、「水に流せるティッシュ」と表示された製品の50%には、マイクロプラスチックが含まれていることがわかりました。しかし衛生製品および衛生製品の規制がないため、これらの材料のプラスチック組成を特定できないのが現状です(Briain et al. 2020)。

今回の調査によって、いままで誰も気がつかなかった「白いマイクロプラスチック」が大量に海にあることがわかってきました。これまでマイクロプラスチックの研究者は、マイクロプラスチックを「白いフィルター」の上にのせて観察してきました。そのため「白い」マイクロプラスチック繊維の存在がわかりづらく、気がつかなかったのです。

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いま世界中で不織布の生産が増えており、それらが排水からたくさんでてくることを考えると、この「白いマイクロプラスチック」の発見はとても重要です。

他にも英国のビーチで洗い流されるウェットティッシュの量は、過去10年間で400%増加している結果もあります。そういった商品は、「水に流せる」などのうたい文句を書いてあることがありますが、実際にはそれが悪夢につながっています(Exeter Daily 2016)。

ウェットティッシュは水に流しても、トイレットペーパーのように水に溶けて分解されるわけではありません。バラバラになって、微小なマイクロプラスチックを放出します。下水を通じていったん海に流れ込んだマイクロプラスチックは、消えないごみとして残り続けてしまいます。

今こそエコフレンドリーを見直そう

この結果をふまえて、私たちにできること。それは本当にその「製品」を使う必要があるのか、もう一度考えることです。

例えばティッシュや消毒用のウェットティッシュは便利ですが、他のものでも代用できます。

例えばティッシュを使うのをやめて、ハンカチを代用してみてはいかがでしょうか? カナダでは、使い捨てティッシュを使う人はほとんどおらず、多くの人がハンカチで鼻をかんだり拭いたりして、洗って使っています。

私も「不衛生では?」と最初は戸惑いましたが、使っているうちに気にならなくなります。汚くなったら洗えば良いんです。さらにどれだけティッシュを浪費していたか、ということに気づくきっかけにもなりますよ。

他にも使い捨て生理用品を使わずに月経カップを使えば、マイクロプラスチックへの影響も少なくなります。ぜひ試してみてくださいね!(月経カップで生理をプラスチックフリーに!おすすめ3種)。

参考:ScienceDaily,June 23 2020