世界の250を超える企業、政府、組織は「2025年までに全てのプラスチック包装を再利用・リサイクル・堆肥化可能なものにする」という誓約に署名しました(Eco Watch Oct 2018)。
この誓約は「新プラスチック経済のグローバル・コミットメント」として、Ellen MacArthur財団(循環経済への移行を世界的に推進する財団)が国連環境計画(UNEP)と協力して推進しているもの。
現在インドネシアのバリで開催されている「第5回オーシャンカンファレンス」で正式に発表されました。
署名した企業・組織には、コカコーラ、ネスレ、ユニリーバ、H&M、ロレアル、ウォルマート、ペプシ、SCジョンソン、Amcor社やNovamont社(プラスチックメーカー)や英国、チリ政府など。
ネスレのCEOは、「循環経済に移行するために重要なステップ。模範的な行動でリードしていきたい。」と述べました。
世界自然保護基金(WWF)や経済界の団体もこの誓約を支持しており、「世界の企業や政府が、全体で取り組む重要なステップ」と捉えています。
ただ、署名者には具体的な目標を設定する義務がなく、グリーンピースはこのことを問題視しています。
そこでグリーンピースは署名者に対して、次のことを徹底するよう求めています。
- 使い捨てプラ削減の意欲的で責任のある目標設定をすること。
- 過剰で問題の多いプラ包装をなくすために直ちに行動すること。
- 再利用や代替品を供給するシステムへの投資を優先すること。
- 透明性のある取り組みを行い、プラスチックフットプリントについて毎年報告すること。
同様に、Oceana(海洋保全に特化した国際機関)も「リサイクルや具体性のない誓約では、プラスチック危機を解決するには不十分。各企業の有意義な公約が必要。」と述べています。
単なるイメージアップに終わらぬよう、誓約に署名した各企業や団体がどうプラスチック削減に取り組むのか、具体性が問われます。
ブランド監査や世界的なクリーンアップ活動の結果、コカコーラ・ネスレ・ペプシは「世界で最も多くプラスチック廃棄物を出す企業」であると特定されています。