米・廃棄プラ 途上国への輸出量が大幅に増加

プラスチックくず

今年に入って、中国は海外からの廃棄物輸入禁止を発表しました。
これを受け、2018年前半に米国から輸出されたプラ廃棄物のほぼ半分が、タイ・マレーシア・ベトナムといった途上国に出荷されていることが米国勢調査局を通じてわかりました(The Guardian Oct 2018)。

グリーンピースUSAのJohn Hoceverは、「米国企業は、プラスチック廃棄物に対する規制のない途上国を利用し、自らの責任を逃れている。」と述べています。

Unearthed(グリーンピースの調査拠点)のデータによると、2018年前半の米国のプラスチック廃棄物の輸出量は、昨年と比べて3分の1減少(949,789トンから666,780トンに減少)。中国への輸出量は92%減少、香港への輸出量は77%減少しました。

しかし、タイへの輸出量は今年2,000%近く増加(91,505トン)。そのほか、マーレシアへは273%増(157,299トン)、ベトナムへは46%増(7,220トン)、トルコや韓国への輸出も大幅に増加しています。

東南アジア諸国でも動きがありました。
ベトナムは5月に一時的にプラごみの輸入を禁止(Vanguard may 2018)。
マレーシアではリサイクル工場が大気・水質汚染を訴え閉鎖。一部のプラごみ輸入許可が取り消されました(FMT news Jul 2018)。

また、おかしなことに、米国がリサイクル品として輸出したプラスチックは、米国に返送され、プラ製のおもちゃになってスーパーマーケットで売られます。中国から渡った悪徳企業や不法就労者が関係しており、「東南アジアに廃プラを投棄すべきではない」と言われています。

廃棄プラスチックの正当な貿易が望まれる中、米・カナダではリサイクルプラの加工市場が拡大しつつあります。