飲み物をティーバッグで抽出する際、おびただしい数のマイクロプラスチック及びナノプラスチックが放出されることが最新の調査で確認されました(ACS Publications Sep 2019)。
市販のティーバッグから116億個のマイクロプラスチック
アメリカ化学会によると、この研究では合成繊維を使った市販のティーバッグのお茶4種類を調査。
あらかじめ茶葉を取り除いた袋を水の入った容器に浸して加熱し、実際に茶葉を抽出する状況を再現しました。
電子顕微鏡で確認したところ、抽出温度(95℃)においてティーバッグ1袋で約116億個のマイクロプラスチック、さらに約31億個のナノプラスチックがお湯の中に放出されたことがわかりました。
これは、他の食品で過去に報告されたマイクロプラスチックより数千倍も高いレベルになります。
さらにティーバッグから出たマイクロ・ナノプラスチックを様々な量でミジンコに投与。ミジンコは生存したものの、身体構造や行動に異常が見られました(Scientific Daily Sep 2019)。
人体への影響は不明…でもナノプラスチックには大きな懸念あり
マイクロプラスチックは環境中や水生生物、塩や水道水などあらゆるところから見つかっています。
今回検出されたナノプラスチックはマイクロプラスチックよりさらに小さく、100nmにも満たない大きさです(ちなみに人間の髪の毛の太さは約75,000nm!)。
ティーバッグから大量のマイクロ・ナノプラスチックが放出されることがわかりましたが、それを飲んだ場合どのような影響があるのか現時点ではわかっていません。
しかしナノサイズになると、消化器系だけに止まらず循環器系に入る可能性があると言われています。魚類で行った実験では、ナノプラスチックが脳組織に蓄積し、行動力が落ちてしまったという結果もあります(Mattsson et al. 2017)。
リスクを避けるためにできることは?
このようなリスクを考えると、合成繊維のティーバッグは避けるに越したことはありません。もちろん紅茶や日本茶に関わらず、だしパックなども含まれます。
具体的にできること!
- ティーバッグや煮出し用パックの素材をチェックする
- 「不織布・ポリプロピレン・ナイロン」などの表記があれば避ける
- 茶葉はステンレスのストレーナーやティープレス(フレンチプレス)で淹れる
- トウモロコシなど生分解性のあるバイオマスプラスチック(ポリ乳酸)でできたティーバッグを選ぶ
繰り返し使える「コットン」のティーバッグ
洗って何度も使えて、しかも自然素材のティーバッグがあったらいいなと思いませんか?
これがちゃんとあるんです!
こちらはminimal living tokyoの「オーガニックコットンティーバッグ」。
100%コットン、というのが嬉しいですね。
とても薄い生地で、透け感があるほど。これなら紅茶もしっかり抽出されそうです。
巾着になっていて、中に茶葉を入れればあとは普通のティーバッグと使い方は同じ。
何の問題もなくおいしい紅茶を淹れることができました。
使ったあとは中身を出して、きれいに洗って干すだけ。時々小さい鍋で煮沸消毒すると清潔ですね。
生地が薄いので乾きもいいですよ!
麻のティーバッグもあります
LEBENSBAUM(レーベンスバウム)というドイツの紅茶メーカーの商品は麻のティーバッグ。使い捨てではありますが、オーガニックハーブティーを安心して楽しめますよ。
かわいらしいイラストの紙の外箱に、ハーブティーをメインとしたティーバッグが入っています。1つ1つを包むカラフルな個包装ももちろん紙。
外箱はセルロースを原料とした透明のフィルムで包装。家庭用コンポストで数週間以内に分解されるそうですよ(レーベンスバウム 「環境への取り組み」)。
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[…] https://lessplasticlife.com/plastics/health_impact/teabags-release-microplastics/ […]