生ごみを劇的に減らせるコンポスト、やってみたいと思いませんか?
ここでは身近な材料で作れる「段ボールコンポスト」をご紹介!
その作り方を詳しくお伝えするほか、実際に堆肥ができるまでの工程もわかりやすくまとめています。
失敗の原因となる生ごみの種類など、気を付けるポイントもわかりますよ。
段ボールコンポストとは?メリットはお安く試せること
キッチンで出た生ごみを減らす時に大活躍するコンポスト。
コンポストとは微生物の働きで生ごみを分解して堆肥にすることで、家庭のごみの量を大幅に減らすことができるもの。
生ごみを減らせば焼却エネルギーも少なくなって環境負荷を抑えられるほか、できた堆肥を家庭菜園に使って、栄養いっぱいの野菜も作れます!
コンポストにもいろんなタイプがあり、これまでもプラなし生活でその一部をご紹介してきました。
初心者・都会でも挑戦しやすい!「LFCコンポスト」で生ごみを堆肥に
ここでご紹介するのは段ボールのコンポスト!
市販の製品は数千円するものが多いですが、段ボールコンポストのメリットは費用を最小限に抑えられること。
材料もどこでも手に入りやすく、自宅にあるもので作ることもできますよ!
室内でも簡単に作れる!段ボールコンポストの材料・作り方
ここでは段ボールコンポストに必要な材料と作り方をお伝えします。
【準備するもの】段ボール箱・Tシャツ・土(園芸用の腐葉土でも)
次のものを準備しましょう!
- 段ボール箱(同じくらいの大きさのものを2箱)
- クラフトテープ(紙のガムテープ)
- 新聞紙
- ピートモス
- もみ殻くん灰
- 古いTシャツ
- プランター台
【段ボール箱】
みかん箱くらいのサイズが理想。浅い箱より深さがある方が、かき混ぜやすくておすすめです。
ちなみにこの記事では「縦30cm x 横40cm x 高さ26cm」の箱で作りました。
できれば2箱用意して、1箱は内側に重ねて二重にすることで水分の染み出しを防ぎます。
なければ新聞紙を内側に貼り付けるだけでもOKです。
【クラフトテープ】
紙でできたクラフトテープを準備します。
少しでも通気を良くするため、プラスチック製のテープや布テープは避けます。
【ピートモス・もみ殻くん灰】
堆肥作りに必要な土。ホームセンターで簡単に手に入ります。
園芸用の腐葉土でもOKです。
【古いTシャツ】
段ボールコンポストの虫除けカバーとして使います。
【プランター台】
コンポストの底の空気の通りを良くするため、プランター台の上に置きます。
コロコロ付きなら移動もできておすすめです。
レンガなどを四隅と中心に置いて、台の代わりにしてもOK。
①段ボール箱を二重にする
2つの段ボール箱を外側用、内側用に分けます。
内側用を分解して、外側用の側面・底面(全部で5面)の大きさに合うようにカットし、それぞれ内側にはめ込んで二重にします。
蓋部分は切り取らず、高さを出すために立てています。
もし段ボール箱が2つ用意できなかった場合、内側にクラフトテープで新聞紙を貼り付けてください。
②隙間をクラフトテープで養生し、底に新聞紙を敷く
強度UP、虫の侵入を防ぐため、隙間があるところや弱いところをクラフトテープで養生します。
段ボールの繋ぎ目を漏れなく塞いでください。
さらに念のため、底面に新聞紙を敷いておきます。
③土を入れる
ここで土を投入!
ピートモスともみ殻くん炭を「3:2」の割合で入れ、よくかき混ぜます。
かなり土埃が舞うので、マスクやタオルで口を覆いながらやるといいかもです。
④古いTシャツでカバーをかける
いらないTシャツを段ボールコンポストに被せます。(多少無理矢理でも伸びるので大丈夫です)
袖部分を結んで開口部を塞ぎます。
⑤プランター台に置いたら完成
プランター台の上に段ボールコンポストを設置します。
雨がかからない場所に置き、家の外壁から10cm以上離して風通しをよくしてください。
実践!段ボールコンポストで堆肥を作ってみよう
段ボールコンポストが完成したら、いよいよ堆肥作りのスタート!
やることは簡単ですが、生き物を育てるように毎日様子を見てあげてください。
①毎日の生ごみを投入する(期間:2〜3ヶ月)
生ごみは別の容器に入れておき、まとめてコンポストへ投入。
容器は虫が入らないよう蓋付きがおすすめです。
野菜や果物の皮(ただし玉ねぎの皮は分解しにくい)
調理済みの残飯(腐っていないもの)
卵の殻
お茶っ葉
コーヒーかす
調理で残った油(少量ならOK)
煮汁(少量ならOK)
※コンポストに入れてはダメなものは後述します。
②コンポストがいっぱいになったら熟成させる(期間:約1ヶ月)
生ごみの量にもよりますが、だいたい2〜3ヶ月でコンポストがいっぱいになります。
そうなったら生ごみの投入をやめ、熟成期間に入ります。
週に1〜2回、500mlの水を少しずつ加えてかき混ぜてください。
形のあった生ごみが1ヶ月ほどで分解され熟成が完了。
触るとふかふかの堆肥になっています!
堆肥づくりに役立つ「米ぬか」や「コーヒーかす」
生ごみと一緒に入れるものでおすすめなのが、「米ぬか」と「コーヒーかす」。
【米ぬか】
米ぬかは発酵を促す働きがあります。
市販でも発酵促進剤として販売されていますが、お米屋さんで無料で譲ってもらえたり、買っても1kg数十円とお安いのでぜひ入手してみてください。
「分解が進んでいない」「コンポストの中が冷たい」と感じる時に、米ぬかを軽くひとつかみして、土とよく混ぜ合わせます。
翌日、微生物が活発に活動してコンポストがほんわかと温かくなっていますよ。
【コーヒーかす】
そしてもう1つおすすめはコーヒーかす。
発酵には水分と空気が必要。コーヒーかすは適度な水分を含んでいて(水を切らなくてOK)、細かいので空気を含みやすくなっています。
それに臭いを防ぐ働きもあるので、コンポストにうってつけです。
段ボールコンポスト失敗!?入れてはダメなもの
腐っているもの、生肉や生魚、ペットの排泄物は虫が寄ってくる原因に。骨や硬い種は分解しにくいのでコンポストには不向きです。
落ち葉や枝ももちろん分解できますが、万が一卵が産み付けられていると孵化してコンポスト内に虫が発生することも。
虫自体も分解者となって堆肥作りには心強い味方なのですが、苦手な人は避けた方が無難です。
薬品がついたものも安全性の観点から入れないようにしましょう。
・腐っているもの
・生肉・生魚
・ペットの排泄物
・骨や硬い種
・落ち葉・枝(虫の卵がないか確認)
・薬品がついたもの
堆肥の利用
出来上がった堆肥はガーデニングや家庭菜園に!
100%堆肥だと栄養過多になるので、普通の土とミックスして使います。
堆肥1に対して赤玉土を2〜3で配合するといいですよ。
「コンポストをやってみたいけど、堆肥の使い道がなくて…」という場合は、自治体が堆肥を回収してくれている地域もあります。
一例として、川崎市(神奈川)では生ごみ堆肥(生ごみ処理機で乾燥させたものもOK)を持ち込み・郵送で受け付けていて、花壇や農園で有効活用していますよ。
わからない場合は行政の窓口に確認してみてください。
まとめ
いかがでしたか?
ここでは段ボールコンポストのメリット、作り方から堆肥ができるまでをお伝えしました。
3年ほどいろんなタイプのコンポストを試していますが、入れていい生ごみに気をつければ虫が湧くことも、悪臭がすることもありません。(多少の虫は分解を助けてくれるのでOKとしています)
材料さえ揃えたらあっという間に完成するので、お子さんと工作・実験感覚でやってみるのも面白いですよ!
\ もっとコンポストライフを楽しむ! /
室内でも使える「コンポスト」!5つのタイプと特徴をチェック 初心者・都会でも挑戦しやすい!「LFCコンポスト」で生ごみを堆肥に【参考文献】