木のおままごと、木製のキッチンって、ステキですよね。
ここでは、子供の発育におままごとがとても大切な理由、プラスチックにはない天然の木のままごとの良さをお伝えします。
そして日本製の木製ままごと&キッチンを使ってみたレビューをします。木製のままごとの素晴らしさがわかりますよ。
子どもの脳の発達促す「ままごと」
子供は、ままごとを通じて、語彙力を高め、想像力や社会的スキルを発達させています。
手と目の協調(目で見て手を動かすこと)や微細運動(手や指を使った細かく精密な動作)、さらには問題解決の力を、知らず知らずのうちに向上させています。
子供たちは、実際の生活を真似する「ごっこ遊び」が大好き。
だから子供たちに自分専用のおままごとやキッチンを与えることは、子供の成長にとてもいいことなんです!
では、ままごとは、具体的にどのように子供の発達にいいのでしょうか?
手と目の協調と微動運動
ままごとセットには、包丁とまな板で野菜や食べ物を切るカッティングセットがありますよね。
ものを切る練習のできるカッティングセットは、子供の微細運動能力(手や指を使った細かく精密な動作)や、野菜を目で見ながら、手で包丁を持ち、切るという一連の動作をつかさどる手と目の協調を常に刺激して鍛えてくれます。
幼児は、コンロのつまみを回したり、蛇口をひねる音を聞くのが好きだし、食器棚のドアを開け閉めしたりするのも好きです。
言語とコミュニケーション
子供が少し大きくなってくると、ままごとキッチンは言葉や語彙力の発達を促します。
子供たちは、まず食べ物や調理道具の名前を学びますよね。お魚、フライパン、ほうちょう、など。そして自分がしている動作について「焼く、洗う、切る」などの動詞を学びます。さらに「熱い・冷たい」といった反対語も学べるんです。
友達や兄弟でおままごとをしていけば、さらに複雑な語彙力や言葉の組み合わせの発達につながっていきます。
もっと子供が大きくなると、自分たちでカフェやお店屋さんごっこをしてメニューを書く練習もできます。
ままごとは、子供たちが兄弟や友達と一緒になって遊ぶという、子供の社会的スキルの発展を促します。たとえば、誰がお父さん役で誰がお母さん役になるか異なる役割を決め、どんな料理を作るか決めていきます。そして作った料理を誰にあげるかなど議論しながら作っていますよね。
それにより子供たちはチームとして働き、協力して仕事を早くこなせるようになるんです。準備が遅すぎて肝心の遊びを始めるのが遅いこともありますが(笑)。
つまり子供たちは、ままごとによって、どんな料理を作るかなど料理の内容や、友達の意見やアイデアを共有したり、お互い交代で聞いたり意見を言ったりできるようになります。
問題解決力や計算力
ままごとは、子供の認知能力や問題解決の力を向上させます。たとえば、フォークがなくなった!という問題が発生したら、「どうしようか?」と子供は考えさせられることになります。
フォークを別のものに置き換えようとしたり、画用紙で作ってしまったり、あれこれ工夫することを学びます。
さらに子供の計算能力を高めるのにも役立ちます。お皿の数を数えたり、コップを数えながら並べたりと、遊びながら数学的な学習も身についていきますよ。
おままごとのプレゼントに最適な年齢は?
おままごととキッチンは、子供が何歳のときに買ってあげたらいいのでしょうか?
子供の発育の速さはそれぞれ異なりますし、時間の経過とともに興味も変わっていきます。
もしお子さんが何か特定の遊びに夢中になっているなら、それがいわゆる標準の年齢の遊びじゃなくても、かまわず遊ばせておけばいいでしょう。
一般的に、子供は2歳〜3歳の間にごっこ遊び(仮装遊び)を楽しむようになります。
だいたい2歳くらいから、遊びはより複雑になり、おもちゃの野菜を切ったり、お茶会のテーブルを用意してお茶をいれたり、お人形にご飯を与えたりといった、手と目の協調や微細運動能力がますます必要にる遊びが増えていきます。
そのため、おままごとセットやままごとキッチンは、2、3歳の誕生日のプレゼントとしても人気があります。
ぜひキッチンもいっしょに!
おままごとセットと一緒に、キッチンもあると子供たちの遊びの想像力と幅がぐんと広くなります。なぜなら、キッチンは子供と一緒に成長していくからです。
キッチンがひとつあると、子供が成長するたびに、お茶セット、トースター、いろんな食材など設備やアイテムを増やしていくことができます。これらは全部、遊びの可能性を広げて、より大きくなった子供にとっても魅力たっぷりでありつづけてくれますよ。
木製のおままごと&キッチンがよい理由
子供は遊びながら学んでいきます。ままごとセットにはプラスチック製が多いですが、あえて木製を撰ぶメリットはなんでしょうか。
木製のままごとキッチンはプラスチックにない魅力がたくさんあります!
木は子供の脳と運動の発達をより促進する
木のおままごとのおもちゃは、プラスチックよりも少し重いです。逆に言うとプラスチックが軽すぎるのです。だから、子供の小さな手でつかむ、つまむと言った動作のときに、木製のほうがより筋肉を使い、運動の発達によいのです。
木の感触、とくに無垢材の木の感触はやさしく、子供は無意識にそれを感じ取っています。プラスチックのような添加剤が含まれ、合成された物質の不自然なさわり心地が脳によいということはないでしょう。
子供は大人よりも匂いに敏感です。木がもつ香りを感じ、感覚が育っていきます。そのような体験はプラスチックではできないことです。
木製のほうが安全
プラスチックの安いおもちゃは安全性に欠けます。
子供はおもちゃを投げますよね。木製のおもちゃは、子供が少々投げたくらいで壊れることはめったにありません(ただ安すぎる木製のおもちゃは壊れることがあります)。
おもちゃの種類によりますが、プラスチックは衝撃で割れます。鋭い鋭利な部分がでて、手や皮膚を切ってしまう原因にもなります。
プラスチックには有害な化学物質が含まれることが多々あります。とくにリサイクルしたプラスチックを使用したおもちゃは要注意で、リサイクルする前のプラスチック製品に含まれていた有害な化学物質が、知らずにおもちゃに混入していることが最近の研究で明らかになっています(DiGangi et al. 2017)。
木製なら、無垢材で、無塗装か亜麻仁油などの植物オイル仕上げのおままごとが安心です。有害な化学物質の心配もありません。
ただし、合板など、安い木製のままごとやキッチンには注意してください。大量のプラスチック接着剤が使われていたり、塗料に有害な物質が含まれていることがあります。
木製は丈夫で壊れにくい・長寿命
プラスチックというものは、劣化していきます。温度、紫外線、酸素にさらされ、徐々に劣化して、脆くなっていきます。プラスチックのおもちゃは、遊んでいるうちに、やがて折れたり、割れたりします。
木製のおままごとなら、劣化によって割れる心配はありませんし(※)、めったたなことで壊れることはありません。シンプルな構造ならなおさらです。
だから寿命が長く、兄弟がずっと使い続けることが出来ます。親から子供へ受け継ぐこともできます。
※まれに乾燥によって割れが生じることもある。
ただし、木製でも合板(木材の粉をプラスチックの接着剤で固めた板)はあまり長持ちしません。塗装がはげてきたり、板がはずれたり、湿気で曲がったりしやすいので、合板はあまりおすすめしません。
シンプルなのがいい
ままごとキッチンの話になりますが、プラスチックのキッチンの多くは、あれこれ機能がつきすぎです。中には電子レンジのスイッチを押すと電気がついて、リアルを追求した商品もあります。
ピーピーと音がでたり、ピカピカ光ったり。でもそんな必要はありません。最初は物珍しそうに子供は触りますが、すぐに飽きてしまいます。
むしろシンプルなほうが、子供の想像力をかき立てることができます。子供の考える力が育ちます。シンプルなほうが飽きが来ません。
複雑な機能や、多彩なカラフルな色などついていなくてよいのです。
環境にやさしい
木製のままごとなら、仮に土に埋めても、旅行中に紛失して環境中に流れても、やがて朽ちて自然に還っていきます。
一方、石油で作られたプラスチックは生物にまったく分解されないため、極めて長い期間(場合によっては数百年)、環境中に残り続けます。
実は財布にやさしい
木製のままごとは、プラスチックのそれよりも(ちょっとびっくりするくらい)高いです。子供のおもちゃにそんな高いものを買い与えなくても、プラスチックで十分だ、という考えもあります。
初期投資はたしかにかかります。でも木製は丈夫で長持ちしますし、何人もの子供のおもちゃとなり、プラスチックのおもちゃを何個も買うよりも長い目でみると、財布にやさしいことがあります。
プラスチックは比較的安価な分、ものが増えてしまいます。そして大切にしない傾向にあります。
シンプルな無垢材ほど飽きが来ないため、ずっと使い続けることが出来ます。そして何より、上記にあげた理由により少し高くても、相対的な満足度は高いと言えるでしょう。
子供はそんなの気にしないって?それは子供が大きくなったときに、木のおもちゃで育ってよかったな、ってきっとわかりますよ。
【おすすめ!】日本製の木製ままごとセット
ここでは、無垢材の木を使った国産(日本製)の、とてもステキなままごとセットをご紹介します。
とくにおすすめなのが、高知県のおもちゃ工場でつくられたままごとセット。高知県は森林率84%と日本一の森林県。その恵みがふんだんに生かされています。
梱包・包装がプラスチックフリーなところも嬉しいです。
なかよしライブラリー ままごとセット
高知県香美市にある「なかよしライブラリー」は国産の木材を使用しており、すべてが手作り。
なかよしライブラリーのままごとセットの魅力は、とてもシンプルなつくりであること。シンプルだから想像力もかき立てられます。
そしてなにより「かわいい」こと!どれをとっても、とても「かわいい」んです。
なかよしライブラリーままごとセットは、完全に無塗装の無垢材です。岐阜・高知・北海道・秋田県の広葉樹を使い、異なる色の木材を組み合わせて作ります。だから着色せずにここまで色合いを表現できるんです。
お皿は2枚、カップが2つ、フォーク・ナイフ・スプーンがつきます。カトラリーのかわいらしさはたまりません。柄の色がそれぞれ異なっており、こだわりを感じます。
下に敷くランチョマットもついてきます。
お皿は、ままごとではなくて普段につかえるほどのクオリティです。
丁寧に表面が処理されています。なかよしライブラリーままごとセットのアイテムは、角がありません。やさしく丸める処理がなされています。
お魚の形をしたかわいいまな板。包丁も握りやすくつくられています。
左から、にんじん、なす、大根、とうもろこし。かわいらしいですね。
こちらはおにぎり、パン、目玉焼き。今日の朝ご飯はなにかな?
目玉焼きは異なる2種類の木を使って、その色合いをだしているんです。白身のエッジも、おいしそうに再現されています。これを削って表現しているんですよね。
こちらは果物。左からぶどう、バナナ、柿、リンゴ。こうやって異なる樹木を使うことで、無塗装でも色合いを表現できるんですね。
ぶどうにはさりげなく、ブドウの葉もついています。こういうところにこだわりを感じます。
続いてデザートのケーキとアイスクリーム。とてもかわいらしいですよね。ケーキはサンドイッチに見えます。どっにもなりますね。子供たちはこのアイスクリームがお気に入り。
なかよしライブラリーでは、発送もプラスチックを極力使わないようにしています。日本では国内唯一1カ所でしか製造されていない木毛(モクメン)が緩衝材に使われています。またプラスチックのテープ類も使わないように配慮されています。
なかよしライブラリー おままごとキッチン
ままごとセットがあったら、ぜひキッチンもそろえてあげてください。キッチンがあると、ままごとの可能性が無限に広がるんです。
こちらは、なかよしライブラリーのおままごとキッチン。高知産ヒノキを使い、亜麻仁油で仕上げています。
とにかくシンプルなキッチンが1番です。蛇口とコンロのとってが回ります。下の棚に、ままごとセットを収納できます。
この蛇口のすばらしいところは、回すと「トルク」を感じることです。指一本でクルクル回ってしまう他のキッチンの蛇口と違います。
この蛇口は、手でしっかり握って回してあげることで、回ります。こういうところに、子供の微動運動を促すしかけの工夫を感じます。
回るときの、コチコチという音が心地よいですよ。
山のくじら舎 ままごとセット
高知県案芸市にある「山のくじら舎」は、高知県で育った木の切り株や間伐材を中心に、すべて手作りでおもちゃを製作しています。
商品が届いて、開封した瞬間から、ヒノキの濃厚ですばらしい香りがお部屋いっぱいに満たされます。
口に入れても安全な無垢材に、亜麻仁油で仕上げています。余計な色は使わずに、木が本来もつ色で表現しています。
山のクジラ舎のままごとセットは、他社にはない魅力的がたくさんあります。食材の種類もそうですが、なにより、すごい凝ってるんです。
まずこちらのハンバーガーを見てください。
おいしそうなハンバーガーです(上下が逆かもしれません)。バンズとパテには磁石が埋め込まれており、チーズとレタスをしっかりと包みます。
チーズとレタスは、草木染めのフェルトです。植物の色素で染め上げる、京都の職人による熟練の技によって、この心地よい色が生まれるそうです。本当に「やさいしい」色です。
レタスも糸を通して「よじらせて」、レタスの葉をつくりだしています。
おにぎりです。一見、なんの変哲もないおにぎりですが。。
パカッとわると、梅干しおにぎりなんです!おにぎりはマグネット(磁石)でとまっています。フェルトは草木染め。
こちらのリンゴ、ミカン、卵もパカッとわれます。この丸み感がなんともステキ。果物の「へた」もしっかり再現。
リンゴ(下)には、リンゴの皮、果肉、種が。ミカン(上)も皮と果肉にわかれています。
異なる材質の木を組みあわせて生み出される凝った作りです。磁石でくっつきます。
ゆで卵でした。やはり色が違う木で、黄身と白身を再現しています。
おままごとの定番、大根です。大根の葉っぱもステキですね。
ストンと包丁で切ります。スコンっといい音がします。
ブドウも、糸で玉をつないで、ブドウの房を表現しています。ブドウの葉もしっかりその形。
お魚。パカッとわると、中に黒いものが!これ、もしかして餡子(あんこ)?
というわけで、お魚は、料理の魚にもなるし、鯛焼きにもなるってことで、一石二鳥なお魚です。胸びれやうろこもしっかり再現され、こだわりを感じます。
子供が大好きなケーキです。イチゴのショートケーキですね。
ケーキの間にはなにをはさんでいるのか?想像力が膨らみます。
昔なつかしの、ペロペロキャンディーも。ヒノキのいい香りがします。
リンゴの形をしたまな板に、包丁、スプーン、フォーク、ナイフがつきます。
こちらはクッキー!ジンジャークッキーもいますね。そのまま食べれそうなくらい。かわいいです。
子供たちのお茶会に活躍しています。
山のくじら舎のままごとセット。その魅力は、天然の木のよいところをふんだんに使いながらもデザインがとても凝っていること。遊びの幅もひろがります。また、素晴らしい木の香りに癒やされます(親も嬉しくなります)。
山のくじらの舎でも、梱包に極力プラスチックを使わないように配慮されています。商品の入った箱には厚紙をよじらせた緩衝材がつかわれています。プチプチで包まれていることはありません。
アコテ(a cote)ままごとセット
こちらも日本製のままごとセットです。食器や鍋など、充実しています。
全体的にミニチュアです。たとえば、ナイフの長さは8センチほど(持ち手が3.5センチ)。
だから指でつまむように細かな動作を鍛えるのによいです。シンプルだけど持ち手が赤くなっており、視覚的にわかりやすい。
スプーン、ナイフ、フォークはとてもシンプルな作り。小さなお人形とのごっこ遊びにもいいですよ。赤い塗料は、食べても問題のない塗料になっています。
お皿、カップ、水差し。二人分の料理をのせるトレーもあります。
こちらは調理器具。おしゃれですし、形がかわいらしいですね。
海外の木製ままごと
Hape Toys(ハペ)
ドイツのハペは、持続可能な素材(つまり木材)で作られたおもちゃの世界最大メーカーです。
塗料は水性塗料を使用し、ヨーロッパの厳格な品質と安全性の基準を設定しています。
ハペのままごとセットは完全に木製だけでできているわけではありません。少なくともお皿はプラスチック、また野菜を止めるマジックテープもプラスチックです。
マジックテープで止められた野菜は、切るとザクっという音がします。マジックテープはプラスチック素材。
目玉焼きを作っているところ。フライパンやフライ返しなど、とくにエッジを丸めるなどの工夫はありません。目玉焼きの構造も、ひたすらシンプルです。
トマトを煮込んでいます。無骨にシンプルな作り。
ペッパーとソルト(塩)ボトル。意外とこういうアイテムって子供がすきなんですよね。
パン、ピザ、チーズです。パンは包丁がいれやすいように、切り込み部分がへこんでいます。こういうところが工夫されていますね。
キッチンを早く片付けないで!
子供がもう遊ばないんじゃないかと思っても、ままごとキッチンはそんなに早く撤去しないほうがよいです。
もうしばらく遊ばないような気がして、ただ場所をとっているだけのように感じるかも知れなくても、子供たちはよく戻ってくるものです。
置くスペースがなくて困っているのでなければ、ぜひ、キッチンはそのままにしておいてください。
子供は年齢が増すにつれて遊び方も変わっていきますが、7歳でも8歳でも、子供は友達とごっこ遊びをしたいと思うことが多いものです。ままごとキッチンは、お店のレジのカウンターにもなるんですよ!
ままごとに新しいアイテムを加えて(たとえばケーキなどのデザートのおもちゃ)、子供たちの遊びたい欲を刺激するのもいいですし、子供たちがメニューを書くのを手伝ってあげるのもいいですね。
そしたら、本物のキッチンに立ってお手伝いする練習にもなります。
まとめ
木のままごとセットは市場にたくさん出回っています。それらを見回してきたなかで、とくにこだわりを感じ、なにより「木のぬくもり・温かさ」を感じることができたのが、高知県発のなかよしライブラリーと山のくじらの舎のままごとセットでした。
おままごとは、女の子だけじゃなく男の子にもぴったりで、兄弟や友達と一緒に遊ぶのにも最適です。ぜひ、お気に入りのままごとセットをプレゼントしてあげてください!
\ 木製おもちゃが優れている11の理由/