台所の食器洗い洗剤をプラなしするには?
実は「固形石鹸」でも食器を洗えるんです。
環境にも肌にも、そしてお財布にも優しい石鹸。もちろんプラごみだって減らせます!
実際にどのくらいお得でプラごみが減るのか徹底検証もしてみました。
注意したい洗い方のポイントや、石鹸の選び方もわかりますよ♪
▼動画でチェック!
https://youtu.be/EB6mh9bAdLM
固形石鹸で食器を洗うときのメリット・デメリット
固形石鹸で食器を洗う際、今までの液体洗剤と同じようにはいかないデメリットもあります。
でも、それをしのぐ素晴らしいメリットもたくさん!
メリットは「成分」「コスパ」「ごみの少なさ」
環境に優しい
固形石鹸の主成分は「脂肪酸ナトリウム」。排水しても微生物が生分解できる、自然に優しい物質です。
一方、合成洗剤は合成界面活性剤で汚れを落としますが、その分排水を汚染してしまいます。
洗浄力が高いのに手荒れしない
固形石鹸は液体洗剤よりも洗浄力は上!
液体洗剤の大部分は水で、洗浄成分は約30%ほどと言われています。
固形石鹸は洗浄成分(脂肪酸ナトリウム)の塊。特に無添加石鹸は余計なものが入っていないため、手荒れしやすい人にも安心です。
コスパが素晴らしい
ずばり、固形石鹸はお得です。一般的なものなら1つ200円ほどで買えます!
使用量を調節しやすいのもコスパの高い理由の一つ。すぐに減ってしまうことはあまりありません。
詳しいコスパ検証はこちら!
プラごみが超少ない
液体と違って固形なら簡易包装が可能。
たとえプラスチック包装だとしても、小さい袋1つで済んでしまいます♪
なんでも液体より固形の方がゴミは少なくなりますね。
詳しいプラごみ検証はこちら!
デメリットは失敗するとベタつく!「予洗い」と「すすぎ」に注意
固形石鹸で食器を洗うとき、注意すべきポイントが2つあります。
汚れが多いと白い曇やベタつきがでる
油汚れに直接石鹸をなじませると、白く曇ったり、洗った後もベタベタした感触が残ることがあります。
しっかり汚れを落としきれていないことが原因。
そのため、毎回「予洗い」が必要になります。
「ためすすぎ」ができない
基本的に「ためすすぎ(ため洗い)」ができません。
石鹸の泡が水に触れると、せっかく泡に閉じ込めた油が外に逃げてしまいます。
そのため、ためすすぎをすると水の中に汚れが広がって、他の食器もベトベトに。また洗い直ししないといけません。
固形石鹸で効率よく食器洗いするコツ!
メリットいっぱいなのは良いとしても、どうすれば失敗なく洗うことができるのでしょうか?
洗い方のコツを手順に沿って見てみましょう!
1. 汚れを拭き取る
コツその1!
油やソース、マヨネーズなどは古布で拭き取っておきます。
こうすることで、この後の工程がグッと簡単になります♪
2. 予洗いする
コツその2!
本格的に洗う前に、軽く予洗いしておきます。
ぬるま湯&手を使うのがおすすめ♪ どこが汚れているのか、指先の感覚でよーくわかるので効率よし!
このひと手間が石鹸での食器洗いの明暗を分けます…!
3. 石鹸で洗う
ここからいよいよ石鹸で洗っていきます。
まずは汚れが少ないものからスタート。予洗いしているので、石鹸なしでもきれいになります。
油ものは石鹸の出番。
ここでは綿(ガラ紡糸)のふきんを濡らして絞り、石鹸を直にこすりつけます。
そんなに泡立ってませんが、これで良いのです。なぜなら予洗い効果で少ない石鹸でもキュッキュとなるから!
ここでコツその3!「ためすすぎ」はNG。
石鹸で洗った食器は重ねておき、とりあえず全ての食器を洗ってしまいます。
4. 流水ですすぐ
最後にまとめて、ひたすらすすぎます。曇りやベタつきなく、スッキリきれい♪
- 汚れの拭き取り、予洗い効果がすごい。たくさん洗い物があっても効率よく終わる。
- おかげでふきん(スポンジの代わり)が汚れない。ストレスフリー!
- 鉄フライパンを使っているせいか、石鹸の使用量はさらに少なめ。(鉄フライパンは洗剤NG)
- ガラスや金属の食器はすぐキュキュっとなる。反対に、ウレタン塗装(プラスチック)はヌルヌルが落ちにくい。洗い物を効率化したいなら、プラスチックの使用は避けるべし!
スポンジじゃなくてOK!「綿のふきん」や「コットンたわし」がおすすめ
プラなし生活では食器洗いやお掃除にプラスチック製のスポンジは使いません。
よく目にするのは、「石鹸で食器を洗う時は”目の粗いスポンジを使うこと”」という教え。そうすることで、泡立ちが良くなるんですね。
でもここは、断固拒否したい!
そこで、以下のような自然素材のもので洗った時、泡立ちや汚れ落ちはどうか試してみました。
- 普通の綿のふきん
- ガラ紡糸のふきん(びわこふきん、wabouhuなど)
- コットンたわし
- セルロースのスポンジ
- ヘチマたわし
結果、汚れ落ちがよかったのは「ガラ紡糸のふきん」「コットンたわし」「普通のふきん」です。
【ガラ紡糸のふきん】
泡立ちはさほど良くないですが、糸の凹凸と石鹸成分でちゃんとツルツルになります♪
▼この記事で使っているガラ紡糸のふきんはこちらです♪
【コットンたわし】
わりとすぐに泡立ちます。サイズ感や厚さも使いやすいポイント。
【普通の綿のふきん】
食器をこするとすぐに広範囲に泡ができます。汚れ落ちも◎
ちょっといまいちだったのがヘチマとセルローススポンジ。
【ヘチマたわし】
目が粗いため泡立ちはいいですが、石鹸成分がすぐに流れ出ていきます。
(追記)
泡立ち、泡持ちを良くするには大きめのヘチマたわし(10~15cm)がおすすめ。水に濡らして石鹸にしっかり擦り付けます。
クシュクシュするとたくさん泡立ちました!
【セルロースのスポンジ】
スポンジの水が出てしまっています。泡立つというより、石鹸水で洗っている感じ。
\ こちらの記事もおすすめ! /
スポンジじゃなくてもよくない?「食器洗い」をプラスチックフリーにする方法
台所に固形石鹸?ドロドロにしない置き方
石鹸を使う以上、水切りは重要。何もしないとドロドロに溶けて、早く消耗してしまいます。
小さなお皿と次のものを組み合わせるだけで、簡単に水切りできますよ♪
セルロースのスポンジ
セルロースのスポンジを適当な大きさに切って、お皿の上に。
その上に石鹸を置くようにすると水に直接触れません。
垂れた水はセルローススポンジが吸水。放っておけば自然に乾きますよ。
▼この記事で使っているセルローススポンジはこちらです♪
ヘチマたわし
適当な厚さにカットしたヘチマに石鹸をおきます。
ヘチマ自体が通気性抜群!時々洗って自然乾燥させると黒ずみを防げます。
ビール瓶の栓
ビールの栓を石鹸に押し込んで、台座のようにします。(金属のキャップなら大抵OK)
準備とお手入れ、どちらも簡単です!
牛乳石鹸でも食器洗いできる?「台所用石鹸」との違いとは
浴用、洗濯用、台所用とありますが、無添加石鹸ならどれも同じ。
もちろん牛乳石鹸でも食器洗いできます。
小さくなった石鹸を取っておいて、溶かしてトロトロ石鹸にして洗剤にする方法もあります。洗濯用の粉石鹸も同じように溶かして使用できますよ。
ただし、一部の石鹸は洗浄力を上げるため「アルカリ助剤」が入っている場合があります。
肌の弱い人が素手で長時間使用すると手荒れすることも。食器洗いには避けたほうがベターです。
また、洗濯用を使用する場合は香料にも気をつけてください。
【固形・液体・粉末】食器洗い石鹸の3つの選び方
食器洗い石鹸には固形・液体・粉末の3種類があります。
それぞれの特徴から選ぶポイントをチェック!
洗浄力・コスパ・プラごみ減なら「固形石鹸」
固形タイプは洗浄力が高く、経済的でプラスチックごみも減らせるのが特徴。
こちらはFair+Squareの『DISH SOAP』。包装が紙箱のみでプラスチックフリーです♪
- パッケージは紙箱のみ
- 天然油脂にココナッツオイルを使用
- ナチュラル成分100%で、合成着色料や香料、添加物フリー
- レモングラスの精油がすっきりいい香り
- ココナッツ石鹸はかなり硬め。その分もちがいい。
一般的な石鹸にはパーム油が使用されていますが、これはココナッツオイル。パーム油はとても安価ですが、プランテーションによる自然破壊が問題ですよね。
お値段は高め。伝統的なコールドプロセス製法でハンドメイドした、こだわり石鹸です!
\ おすすめ固形タイプ /
・ココナッツオイルの石鹸は他にも!
・Dr.ブロナーの『マジックソープ(固形)』は紙包装。ヤシ油とパーム油使用のオーガニック石鹸です。
・ミヨシ石鹸は「持続可能なパーム油のための円卓会議」に参画している企業になります。
手軽さを求めるなら「液体石鹸」
液体タイプは今までの食器洗い洗剤と同じように使えるのが特徴。
ただし、次のようなデメリットもあります。
・固形タイプより洗浄力が落ちる
液体石鹸の主成分は「脂肪酸カリウム」というジェル状の物質。たくさん水を加えてサラサラの液体にしています。液体石鹸の洗浄成分の濃度は約30%と言われており、大部分が水になるため固形石鹸より洗浄力が落ちます。
・プラ包装が多い
液体であるがゆえ、やはりプラスチック製のボトルや詰め替えパックが多いです。使う量を調節しにくいため、早く消耗しがち。そのためゴミが出やすくなります。
少しでもデメリットを避けるなら、Dr.ブロナーの『マジックソープ(液体)』がおすすめ!
- ボトルはリサイクルプラスチック
- 天然由来100%のオーガニック成分
- 少量ずつ希釈して使え、掃除にも活用できる
食器洗いする場合、水で10倍に薄めてボトルに移します。泡ポンプスプレーに入れるとさらに使いやすいくなりますよ。
▼この記事で使っているマジックソープはこちらです♪
「ソープナッツ」はムクロジの木の実。天然の界面活性剤が入っていて、洗剤としての効果があります。
食洗機にも使うなら「粉末石鹸」
プラごみ削減からはズレますが、食洗機用には粉末タイプがあります。
この場合も汚れの拭き取り、予洗いは必要。汚れが多いままだと、食器が白く曇ってしまうことがあります。
洗浄力をアップさせる「アルカリ助剤」が入っていると失敗が少ないようです。
▼粉末タイプの食器洗い洗剤はこちらです♪
【食器洗い固形石鹸vs液体洗剤】コスパとプラごみの量を徹底比較!
液体洗剤と比較して、1年間で実際にかかるコストとプラごみの量を検証してみます。
具体的な商品は次の通り。
【固形石鹸】
①Fair+Squareの『DISH SOAP』
②ねば塾の『白雪の詩』
③ミヨシ石鹸の『台所用石鹸』
【液体洗剤】
花王の『キュキュット食器用洗剤クリア除菌』(詰め替え)
食器洗い固形石鹸のコストは液体洗剤の半分以下!
1日の使用量から、各商品を何日で使い切るか計算。1日あたり価格を出し、1年間のコストを算出しました。
*固形石鹸の1日の使用量について、Fair+Squareの『DISH SOAP』を2ヶ月半使用し、減量分(21g)を75日で割って1日分を0.3gとしました。
*液体洗剤の1日の使用量は、1回の推奨量(水1Lに0.75ml)を参考に、1日3回使用するとして合計2.25mlとしました。
*価格は2020年11月12日時点でのAmazon販売価格です。(Fair+Squareは他ショップでの価格)
【固形石鹸①】Fair+Squareの『DISH SOAP』
- 容量:90g
- 価格:1,500円
- 1日の使用量:0.3g
1日あたり5円。→1年間で約1,825円。
【固形石鹸②】ねば塾の『白雪の詩』
- 容量:360g(180g x 2個)
- 価格:233円
- 1日の使用量:0.3g
1日あたり0.2円。→1年間で約72円。
【固形石鹸③】ミヨシ石鹸の『台所用石鹸』
- 容量:140g
- 価格:174円
- 1日の使用量:0.3g
1日あたり0.4円。→1年間で約146円。
【液体洗剤】花王の『キュキュット食器用洗剤クリア除菌』
- 容量:770ml
- 価格:372円
- 1日の使用量:2.25ml
1日あたり1.1円。→1年間で約402円。
結果は…
- 【固形石鹸】ねば塾の『白雪の詩』(年間約72円)
- 【固形石鹸】ミヨシ石鹸の『台所用石鹸』(年間約146円)
- 【液体洗剤】花王の『キュキュット』(年間約402円)
- 【固形石鹸】Fair+Squareの『DISH SOAP』(年間約1,825円)
固形石鹸、強しですね!1位と2位は、液体洗剤の半分以下のコストになりました。
同じ固形石鹸でも4位のFair+Squareは他よりお高いですが、これには理由があります。詳しくは後述の”洗浄力・コスパ・プラごみ減なら「固形石鹸」”をご覧ください!
食器洗い固形石鹸なら、1年間プラごみゼロも夢じゃない
1日の使用量から、各商品を何日で使い切るか計算。同時にいくつプラごみが発生するかカウントし、1年間で出るプラごみの合計を算出しました。
*固形石鹸の1日の使用量について、Fair+Squareの『DISH SOAP』を2ヶ月半使用し、減量分(21g)を75日で割って1日分を0.3gとしました。
*液体洗剤の1日の使用量は、1回の推奨量(水1Lに0.75ml)を参考に、1日3回使用するとして合計2.25mlとしました。
【固形石鹸①】Fair+Squareの『DISH SOAP』
- 容量:90g
- 1日の使用量:0.3g
- プラごみ:なし(紙箱のみ)
1個で300日持ちます。プラ包装なしなので、1年間のプラごみはゼロ!
【固形石鹸②】ねば塾の『白雪の詩』
- 容量:360g(180g x 2個)
- 1日の使用量:0.3g
- プラごみ:小さいプラ袋1つ
2個セットで1,200日持ちます。1年間のプラごみはゼロ!
【固形石鹸③】ミヨシ石鹸の『台所用石鹸』
- 容量:140g
- 1日の使用量:0.3g
- プラごみ:小さいプラ袋1つ
1個で466日持ちます。1年間のプラごみは小さなプラ袋1つ!
【液体洗剤】花王の『キュキュット食器用洗剤クリア除菌』
- 容量:770ml
- 1日の使用量:2.25ml
- プラごみ:大きなボトル1本
1本で342日持ちます。1年間のプラごみは大きなボトル1本!
ということは、
- 【固形石鹸】Fair+Square『DISH SOAP』とねば塾『白雪の詩』(年間でプラごみゼロ)
- 【固形石鹸】ミヨシ石鹸『台所用石鹸』(年間で小さいプラ袋1つ)
- 【液体洗剤】花王『キュキュット』(年間で大きなプラボトル1本)
小さなプラ袋と大きなプラボトルの差は意外と大きなもの。
日本中の家庭で固形石鹸の利用率が上がれば、確実に国内のプラごみは減るはずです。
それに、液体洗剤は意外と少量でOK。「770mlの詰め替えがすぐに無くなる」という人は、控えめを心がけてみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ここでは食器洗いに固形石鹸を使うメリットや、デメリットをカバーする洗い方のコツ、石鹸のタイプで選ぶ方法などをお伝えしました。
やはり固形石鹸は経済性が高くてプラごみもグンと少なくなりますね!
洗い方のポイントは、「汚れの拭き取り」と「予洗い」、そして「ためすすぎをしない」こと。
固形石鹸では使いにくい、という場合は液体石鹸もあります。プラごみの量やコスパは悪くなりますが、そんな困りごとを解決できる液体石鹸もご紹介しました。
ぜひ毎日の食器洗いに、石鹸を取り入れてみてください!
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