雨の日やガーデニング作業に役立つ長靴。
商品として一番多いのはポリ塩化ビニル(PVC)製。でもゴミになるときに環境負荷が高いプラスチックです。
ほかに選択肢はないのでしょうか?
ここでは素材ごとの特徴と、PVCに代わるおすすめ素材をまとめました!
また、自然由来の天然ゴム長靴の詳しいレビューもご紹介。長持ちさせるポイントもわかりますよ。
長靴のよくあるプラスチック素材
長靴の代表的な素材とその特徴とは?最後はゴミなることを考えて素材を選ぶことが大事です。
【PVC(塩ビ)】安くて耐久性はあるけど環境負荷が大きい
長靴で一番多くて価格も安いのがPVC(ポリ塩化ビニルまたは塩ビ)。
プラスチックの一種で、汚れや傷がつきにくく経年劣化しにくい素材です。
ただ、冬など気温が低いと硬くなる性質があります。そうなると歩きにくかったり、滑りやすくなったりします。
一番問題なのは、柔らかくするためにたくさんのフタル酸エステルが使われていること。
PVCには可塑剤といって柔らかい素材にするための化学物質が大量に添加されます。
PVCの可塑剤には「フタル酸エステル」が使われますが、これは環境ホルモンの1つ。体内に微量でも入ると健康に害を及ぼすことがわかっています。
そのため、おもちゃや育児用品、食品包装用のPVCは使用できるフタル酸エステルの量が定められているんです。
参考
日本、EU、米国におけるフタル酸エステル含有おもちゃ等に係る規制の概要厚生労働省
長靴は口に入れたり舐めたりするものではないけど、肌に触れることはたくさんありますよね。
それに最後はゴミになってもリサイクルされることはほとんどありません。
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【合成皮革】ファッション性は高いけど防水はいまいち
合成皮革の長靴もあります。
合成皮革はPVCやポリウレタンなどの合成樹脂(プラスチック)から作られます。
普通のブーツのようにファッション性の高さが特徴ですが、肝心の防水性は低く、傷もつきやすいです。
【EVA(合成ゴム)】軽くてクッション性が高いけど熱に弱い
EVAは熱可塑性エラストマー(エチレン酢酸ビニル)という合成ゴム。
軽くてクッション性が高く、経年劣化しにくい素材です。PVCのように低温で硬くなることもありませんよ。
ただし熱に弱く、高温で変形することがあります。
自然の素材ではありませんが、PVCより安全で機能性も十分。PVCに代わる選択肢の1つと言えます。
▼150gと超軽量のEVAレインブーツ
【天然ゴム】経年劣化しやすいけど履き心地がよく、防寒対策にも◎
昔から長靴に使われているのが天然ゴム。ゴムの木の樹液から作られる素材です。
天然ゴムは柔らかさと伸びがあって、歩き続けても疲れにくいのが特徴。履き心地がいいんです。
防水性、断熱性も高いので防寒用にも向いています。
また、1つ1つ手作りで生産されている商品も多く、素敵なデザインのものも多いですよ。
ただし経年劣化しやすく、ヒビや割れが入ってしまったり、底の部分が磨耗しやすいという欠点もあります。
天然ゴムの長靴を折り曲げたり伸ばしたりすると、白い粉のようなものが表面に浮き出てきます。
これは劣化防止剤といって、高品質な天然ゴムに使われているもの。
気になる場合はシューズクリーナーやラバーブーツ用のスプレーで拭き取ればきれいになります。
ずっと大切にしたくなる天然ゴムの長靴
子供から大人まで、こだわりがたくさん詰まった天然ゴムのレインブーツをご紹介します!
『Bisgaard(ビスゴ)』シンプルなキッズ長靴ならこれ
こちらはBisgaard(ビスゴ)という子供向けのレインブーツ。
ビスゴは2005年にデンマークで生まれたブランド。もともと靴屋さんだったオーナーが、自分たちの子供のためにいいものを作りたいと誕生したレインブーツです。
履き心地やフィット感、自然の素材、品質、デザインなど子供の靴に大切な要素が詰め込まれています!
ビスゴは全てハンドメイド。デンマーク王室御用達だそう。
水が浸み込みにくい、丈夫な天然ゴム100%!PVC製より少し重たいです。
30分の通学路を通う娘ですが、足が疲れることはないそう。防水性も十分。
ゴム特有の匂いはちょっと気になるみたいですが、シンプルなデザインが何より気に入っています。
色はイエロー、ネイビー、パープル、グリーン、レッドの5色ありますよ。
後ろにはレザーストラップ(牛革)がついていて履きやすい工夫も。
内側は合成繊維の布貼。インソールは取り外し可能なので、濡れても乾かしやすいです。
専用の収納袋がついています。長く使わないときはこれに入れて保管。
サイズ展開が広いので、大きめの足の子でも余裕のあるサイズが選べます。
うちは1年前(娘が小学5年)に一回り大きいサイズ36(23cm)を購入しました(インソールの実寸は23.3cm)。
オンラインショップにサイズ情報が詳しく書いてあるので、普段履いている靴と比較して決めるといいですね。
筒丈は約25cm。小学校の靴箱にはギリギリ入っているそうです^^;
▼この記事で使ったBisgaardの長靴はこちらです♪
『KushyShoo』小さい子供でも履きやすい・持ちやすい
子供らしい元気でかわいらしいデザインが特徴のKushyShoo。天然ゴムが41%以上配合されています。
プルハンドルがついていて、小さい子供でも履きやすく、持ち運びもしやすい!
靴底は滑り止め加工されていて安心。インソールはもちろん取り外しできますよ。
▼この記事で使ったKushyShooの長靴はこちらです♪
大人の天然ゴム長靴!国産品もあります
第一ゴム
第一ゴムは戦前から続くMADE IN JAPANの長靴メーカー。
そこはかと漂うレトロな雰囲気とユニークなロゴ。本格派なのに遊び心があって楽しいですね。
▼デザイン、防水性、フィット感が好評価なフィールド1000
SHIBATA
SHIBATAの天然ゴム長靴はバリエーションいっぱい!
どれも国内生産で、一般的な長靴から工業用の安全靴、農作業用の長靴など様々。工業製品のメーカーだけに、プロフェッショナルなものづくりが伺えます。
▼シルエットの美しさにこだわった「彩り」シリーズ。パンツスタイルにはショートタイプも素敵。
AIGLE
フランスのアウトドアブランド、AIGLE(エーグル)もレインブーツが有名。
フランス産のものは全てハンドメイドというこだわり!美しさと機能性を兼ね備えています。
▼ミスジュリエット(MADE IN FRANCE)
HUNTER
HUNTERは英国王室御用達のレインブーツブランド。
実用的で高品質。ファッション性も高くて世界中で人気!
▼軽くてフィット感のあるオリジナルツアー
天然ゴム長靴の寿命を延ばす、お手入れのコツ
PVCやEVAと比べて経年劣化しやすい天然ゴム。少しでも長持ちさせるポイントをお伝えします。
買ったらまずやっておきたい専用スプレー
ゴムのレインブーツを買ったら、まず専用のスプレーをかけておくと安心。
スプレーすることで表面が保護され、ゴム本来の光沢を維持。傷なども目立ちにくくなります。
まずレインブーツの汚れを拭き取ってからスプレー。柔らかい布で拭き取るように磨いてください。
購入後とシーズン終わりにやっておくと美しさが長持ちします♪
▼コロンブスのラバーブーツ用スプレー
【基本】雨に濡れたらタオルで拭く
帰ってきて濡れたまま置いておくと、ゴムが傷んでしまいます。
乾いたタオルで水気を拭き取るといいですよ。保護スプレーをしていない場合は特に気をつけてくださいね。
【洗い方】布で洗って陰干し
泥などで汚れてしまったら水洗いします。正しい洗い方はこちら♪
1. 長靴を水で濡らし、石鹸水をスプレーする
水だけでもいいですが、泥の跡が残るようなら石鹸水がおすすめ。
この石鹸水はマジックソープを希釈したもの。手で馴染ませると泡立ちますよ。
ちなみに普段はお風呂掃除に使っています。中性洗剤をスポンジにつけて洗ってもOK。
2. 布やスポンジで汚れを落とす
3. 水でしっかり洗い流す
4. タオルで水気を拭く
濡れたままの状態で乾かすと劣化を早めてしまいます。ここはきちんと拭き拭き。
5. 陰干しする
直射日光に当てると色褪せやひび割れの原因に。必ず日陰で干すようにしてくださいね。
▼この記事で使ったマジックソープはこちらです♪
【保管の仕方】収納袋に入れて暗所で保管
長期間使わないときは、袋や買った時の箱に入れて暗所で保管します。
Bisgaardにはこんな収納袋がついています。
箱がないときは、型崩れしないように新聞紙を中に入れて暗所で保管してくださいね。
風を当てないのも劣化を防ぐポイントです♪
まとめ
いかがでしたか?
ここでは長靴の素材別の特徴や、天然ゴム長靴をいくつかご紹介しました。
PVCは注意すべきプラスチックの1つ。長靴1つにしても、身の回りにこんなに溢れていることに驚きます。
安さや種類の多さだけでなく、ゴミになった後のことや健康のことを考えることも大事。
EVAや天然ゴムといった選択肢もあることを知ってもらえたらなと思います。