子供から大人まで、みんなが毎日使う歯ブラシ。
なんと、世界中で1年間に36億本も消費されています(THE HUMBLE CO.)。
その大半はおなじみのプラスチック製。使い終わった歯ブラシはリサイクルが難しいので、ほとんど焼却処分されています。
日本ではどのくらい使われているの?
日本人は、歯ブラシを1〜2ヶ月ごとに交換する人が6割以上を占めます(Club Sunstar)。
その理由は、「毛先の形が変わってしまい、しっかり磨けなくなる」ため。
日本の人口は1億2680万人。単純に1億人と考えて、その6割の人が一年で6本歯ブラシを消費すると考えると、約3.6億本がゴミに。
一般的な歯ブラシは1本10gなので、重さにすると一年で3600トン!
残り4割の人口を含めていないので、日本人全体ではもっと莫大な数になります。
もちろん全てが焼却処分されているわけではありません。一部は海や川、時には道端にも落ちていることがあります。
歯ブラシをなるべくゴミにしない、3つのヒント
ゴミとして出る量が多ければ多いほど、自然の中に落ちていく頻度も増えていきます。
とはいっても、歯ブラシは衛生上どうしても使い捨てに…。
どうしたら歯ブラシのゴミを減らせるのか、3つのヒントをご紹介します!
動画で竹&馬毛歯ブラシをチェック▼
https://youtu.be/7FhRlii_Pn4
1. 【馬毛・豚毛】耐久性のある素材を選ぶ
かなや刷子『馬毛歯ブラシ(小)』
一つ目は、耐久性のある馬毛や豚毛の歯ブラシを選ぶこと。
耐久性があるということは、長く使えるから「ゴミが減る」ということ!
市販でオススメは、「かなや刷子の馬毛歯ブラシ(小)」。
馬毛は毛の復元力が高いので、毛先が広がっても元の状態に戻りやすいんです。
なんと半年近く使い続けられます!
<使ってみた感想>
ナイロン毛にはない、しっかりした使い心地。
歯や歯茎に優しい獣毛だけあって、歯茎がマッサージされているみたいに気持ちいい!歯もツルツルになります。
よく歯医者さんで「ブラッシングは軽く小刻みに!」と指導されますが、馬毛歯ブラシはコシがあるので、自然と力まずに磨けるんです。
現在、使い始めて2ヶ月が過ぎました。
見てわかる通り、ほとんど毛先が広がっていません!
ヘッドは約2cmとコンパクトなので、奥までしっかり磨けます。
とにかく気持ちいいので、もうナイロンの歯ブラシには戻れません…!
<意外とお得です!>
一般的な歯ブラシに使われている「ナイロンの毛」は毛先が広がりやすく、通常1〜2ヶ月で交換する必要があります。
1本150円くらいの歯ブラシだと年間6回の交換で900円。
かなや刷子の馬毛歯ブラシは1本約320円。年に2回交換して640円です!
100円の激安歯ブラシでも年間600円ですので、エコで使い心地も抜群な馬毛歯ブラシの方が断然お得といえます。
▼この記事で使った馬毛の歯ブラシはこちらです♪
FINE(ファイン)の国産竹歯ブラシ『FINEeco41』
人と環境に優しい歯ブラシを作り続けているファイン。
この歯ブラシのブラシは天然毛(豚毛)。
持ち手は一見プラスチックに見えますが、竹(静岡県産の竹繊維)にポリ乳酸を融合して生まれた生分解性の素材。
ポリ乳酸とは、生分解性のあるバイオマスプラスチック(植物由来のプラスチック)です(*)。
(*)コンポストでないと分解しないので、ゴミはきちんと処理しましょう。
生分解する素材のため、持ち手の裏には使用期限が記されています。使用期限はハンドル成型時から2年。
ブラシは水を含むと程よい柔らかさになり、歯と歯茎の間にブラシがフィットします。
国内ブランドだから、ヘッドの大きさは日本人にちょうどいいサイズ。
市販のプラスチック製の歯ブラシとほとんど変わらない使い心地。初めてでも全く違和感がありませんよ。
▼この記事で使った生分解性の歯ブラシはこちらです♪
2. 【竹製】持ち手が自然素材のものを選ぶ
Feel Goodの『バンブー歯ブラシ』
Feel Goodの歯ブラシは持ち手からブラシまで全て天然素材!
持ち手は孟宗竹が使われ、独自のポリッシュ加工でとても滑らかな手触り。
ブラシは特殊洗浄加工された馬毛を使用。天然毛の中でも馬毛は柔らかい種類で、チクチクした感じもなく優しく磨けますよ。
ちなみにFeel Goodで使われる馬毛は、契約牧場の飼育馬の散髪時に落ちたもの。
馬にストレスを与えない、Cruelty Freeな方法で提供されています。
ヘッドの大きさは横:約1.1cm、縦:約2.0cmでかなりコンパクト!小さいお子さんにも使いやすそうです。
本体の長さは約17.8cm。普通の歯ブラシと変わらないサイズ感です。
パッケージはクラフト紙で100%プラスチックフリーですよ!
▼この記事で使った竹歯ブラシはこちらです♪
バンブー歯ブラシ / minimal living tokyo.
tranquilo(トランクイロ)の『white smile』
2つ目は、持ち手が自然素材のものを選ぶこと。
一般的な歯ブラシの持ち手はポリプロピレン、毛はナイロンでできています。
どちらもプラスチックなので、自然の中で分解されることはありません。
オススメは「竹製の歯ブラシ」。
今回使ってみたのは「tranquilo社のwhite smile」という海外製のもの。
この歯ブラシの毛は「ナイロン4」という材料でできています。実はナイロン4(ポリアミド4)は、土壌や海中で生分解されやすい性質があるんです(KAKEN)。
持ち手は竹、毛は生分解性のあるナイロン4!というわけで、環境に優しい歯ブラシなのです。
ちなみに、毛の色が黒っぽいのは炭が配合されているため。自然なホワイトニング作用があるそうですよ。
ブラシの毛は細くて柔らかい感触。毛先が細くなっているので、歯と歯茎の間もしっかり磨けました。
竹歯ブラシは、今のところほとんど海外製。
商品によってはかなり値段が高かったり、ヘッドが大きすぎるものがあります。
ちなみにこの竹歯ブラシのヘッドは約3cmほど。
女性にはちょっと大きいかもしれません。奥歯の狭いところを磨く時は、意識してしっかりブラシを当てるといいですね。
竹なので、口に入れた時に少しざらつきを感じます。気になる人は、水によく濡らして使うと違和感が少なくなりますよ。
▼この記事で使った竹歯ブラシはこちらです♪
THE HUMBLE CO.(ハンブル)の竹歯ブラシ『ハンブルブラッシュ』
ハンブルはスウェーデンのオーラルケア商品を扱うメーカー。できるだけ環境に優しく、身体にも安心な素材を使ったアイテムが多数あります。
その一つが竹歯ブラシ。パッケージはすべてリサイクル紙。
内袋のなかは、植物性セルロースで裏打ちするという徹底ぶり!
大人用と子供用がありますが、日本人(特に女性)には子供用サイズがちょうどいいです。
持ち手は竹、ブラシはナイロン6を使用。
竹は天然ワックスで表面処理されており、握りやすく汚れも付きにくくなっています。
ナチュラル感たっぷりな竹製の歯ブラシホルダーも!
持ち運びに便利な収納ケースもあります。もちろん竹製!キャップが少し硬いので、気になる場合はサンドペーパーで削るといいですね。
海外製ですが日本でも購入できますよ!
▼この記事で使ったTHE HUMBLE COの竹歯ブラシはこちらです♪
\ ハンブルのアイテムいろいろ! /
THE HUMBLE CO.(ハンブル)でできる、エシカルな口腔ケア!
BALIISMの竹歯ブラシ
Baliismの竹歯ブラシは「孟宗竹」を使用。成長が早く、環境負荷の小さい素材として知られています。
ブラシは植物由来のひまし油を原料に作られたバイオマスプラスチック(ナイロン610)。
普通のナイロンとは違って、とても優しい磨き心地。毛先がとても細くて、歯茎の隙間もすっきり磨けますよ。
タイプは丸型と平型の2種類。
丸型はハンドルが長くて太いため、しっかり握れます。
オーソドックスな平型は薄くてスリム。ヘッドは平型の方が若干大きめですが、無理なく磨ける大きさです。
Baliismのサイトには歯磨き粉も入る「収納ポーチセット」もありますよ♪
3. 【ヘッド交換】ヘッドを交換できるタイプを選ぶ
ヘッテムコのヘッド交換式歯ブラシ『Sa・Le・Do(サレド)』
普通の歯ブラシは1本丸ごと廃棄するものが多いですが、まだ綺麗な持ち手まで捨てるのはもったいないですよね。
こちらはヘッド部分だけを交換できる歯ブラシ。プラスチック製ですが、従来の歯ブラシより捨てる部分が圧倒的に少ないです。
交換用ブラシヘッドをパチっとはめ込むだけ。取り外す際は、付属のヘラを隙間に差し込めば簡単に取れますよ。
「竹歯ブラシより、使い慣れたプラ製がいい」という人はぜひ!
▼この記事で使ったヘッド交換式歯ブラシはこちらです♪
4. 【自分の歯ブラシを持参!】ホテルなどで使い捨て歯ブラシを使わない
4つ目は、旅行や出張には自分の歯ブラシを持って行くこと!
滞在先のホテルのアメニティで用意されている歯ブラシ。もちろんプラスチック製ですよね。
たとえ1泊でも、使ったらそのままゴミになります。
さらにプラスチック包装もされていたり、チューブの歯磨き粉が一つ一つ付いていたりと、一度に出るプラごみの量が多い!
自分の歯ブラシ(歯磨き粉も)を持っていけば、歯磨きに関しては何のゴミも出ません。
毎日使うものほど、素材や耐久性を考えて。
歯ブラシのように完全にプラなしすることが難しい物でも、丈夫なら長く使えてごみは減っていきます!
▼この記事で使った歯ブラシはこちらです♪
生分解性のある歯ブラシはそのままでも土に還る?
竹や生分解性のバイオマスプラの歯ブラシは、果たしてそのまま土に埋めれば完全に分解されるのでしょうか?
答えはNo。
実はどの歯ブラシにも「金属」が使われているのはご存知でしょうか?
毛が埋め込まれている穴には、毛を固定する小さな金属チップも一緒に埋め込まれています。
ですので、いくら生分解性があると言っても金属チップだけは残ってしまいます。(土の中で腐食してそのうち無くなるとは思いますが、時間はかかります)
完璧にリサイクル・コンポストしようとすると次のような手順が必要になります。
- 毛の束をペンチで抜く
- 持ち手・毛・金属チップに分ける
- 素材ごとにリサイクルまたはコンポストする
なかなか大変な作業ですね…。
実際にやってみましたが、金属チップがうまく取れず、穴の中に残ってしまうこともよくありました。
ここまでやる必要はないですが、では生分解性の歯ブラシの存在意義って何なのでしょうか?
整理すると次のようなことが挙げられます。
- 自然環境に流出した場合、生分解されるパーツが多いためプラごみの増加を抑えられる
- 仮に燃やしても、自然素材が使われている分カーボンニュートラルでCO2の排出量を抑えられる
- 竹の場合、生育期間が短く再生しやすい資源であるため、プラスチックよりも持続可能
もし自然素材の歯ブラシをコンポストしようとお考えでしたら、金属チップの存在も覚えておいてください。
歯ブラシを長く清潔に!お手入れの方法
歯ブラシを定期的にお手入れして、いつもすっきり清潔に♪ 重曹で簡単にできる洗浄方法です。
1. あらかじめ手で取れる汚れは落としておく
2. ぬるま湯(100ml)をコップに注ぐ
3. 重曹(小さじ1)を加えてよく溶かす
4. 歯ブラシを一晩つけ置く
5. 水で洗いながら、指で汚れを落とす
6. よく乾かして完了!
晴れた日に天日干しするのも効果的です♪
まとめ
竹や天然毛の歯ブラシ、いかがでしたか?
ここでは国内外のエコ歯ブラシをご紹介しました。
まずは自分のお口のサイズに合うものが一番。竹の使用感に抵抗があるなら、バイオマスプラやヘッド交換式のプラ製歯ブラシが従来との違和感がなくおすすめです。
毛は天然毛(獣毛)またはナイロンのどちらか。抵抗がなければ、丈夫でしなやかな天然毛にするとより長く使えますよ。
歯ブラシ1つでも環境にいいこと始められます!