ボトル容器のシャンプー。
使い終わるたびに毎回捨てるのは資源の無駄づかい。「エコじゃない!」ということで詰め替えパックが登場しました。
ボトルより安いこともあって、ほとんどの人が詰め替えパックを利用しています。
でも中身を移せばすぐゴミです。しかもボトルよりも容量が少ない…。これって本当にお得でエコなのでしょうか?
シャンプーのプラごみを減らすなら、液体シャンプーから固形の石鹸シャンプーにチェンジ!
石鹸シャンプーを選ぶポイントや、上手に使う方法をお伝えします。
目次
シャンプーのプラごみ、リサイクルできればエコ?

使い終わったシャンプーボトルや詰め替えパック。
リサイクルするのもいいですが、プラごみを減らす一番の方法とは言えません。
というのも、今の日本のリサイクルでは元の容器に生まれ変わるのは難しく、ほとんどが工場のパレットや再生樹脂になります(日本容器包装リサイクル協会)。
それでも良さそうに思えますが、リサイクルするほどプラスチックの品質は落ちていきます。
品質的にこれ以上リサイクルできなくなると、最後はゴミとして燃やされるか埋め立てられます。
プラごみを減らすには、使い捨て商品を買わない・消費しないことをまず実践しないといけません。
詰め替えパックを売りたいメーカーのエコ戦略
シャンプーに限らず、洗剤商品にはたいてい詰め替えタイプが存在します。
これには、ボトルより詰め替えパックを売りたいメーカーの思惑もあります。
コストが安く、しかも「詰め替え時に溢れないように」という理由から容量を少なくし、利益率を上げる仕組みが取られています(lifehacker Mar 2013)。
さらに利益を上げるため、セットにして「エコで経済的!」と売り出します。
お店でも、「ボトルタイプが欲しいのに、詰め替えしかない…」ということがよくありますよね。お店側も詰め替えパックを売りたいからです。
「詰め替えはエコ!」と盛んにうたわれていますが、紛れもなく使い捨てプラスチックです。
手間やコスト、エネルギーのかかるリサイクルを経て最終的にゴミになることが本当のエコなのか、よく考えなくてはいけません。
シャンプーで出るプラごみを減らすには?

プラごみのリサイクルは最終手段。まずは、プラごみを出さない(リデュースする)ことが重要です。
シャンプーのプラごみを減らすには、洗剤を一切使わない「湯シャン(お湯だけのシャンプー)」にするか、固形石鹸のシャンプーに切り替えることです。
固形石鹸の多くは紙製の箱に入っています。ゴミになっても古紙として回収されるほか、土に還して堆肥化もできます。
また、液体シャンプーより長く使えるのも大きな特徴。仮にプラスチックのフィルム包装だったとしても、固形石鹸なら長持ちするので頻繁に買う必要がありません。その分プラごみが出る頻度も減っていきます。
石鹸シャンプー「ポルックス」を使ってみました!

ポルックスは、一般的な液体シャンプーの3~4本分が1つになった石鹸シャンプー。
成分はパーム油、天然ミントオイルなど余計な化学物質は一切入っていません。
使い方
ポルックスはそのままだと柔らかい石鹸です。適当な大きさに切って、水に溶かして液体状にします。

洗ってみた感想
粘り気のないさらっとした液体。
そのまま泡立てるのは難しいので、泡が出るボトルを強くオススメします!
香料などは入っていないため、石鹸独特の油っぽいニオイがします。気になる人はエッセンシャルオイルを加えると良さそう。
泡切れがよく、さっぱりとした洗い上がりです!
きしみが気になったので、クエン酸リンスをするとサラサラになりました♪
コツは石鹸シャンプーを入念に洗い流すことと、クエン酸リンスを丁寧につけること。
<ポルックスユーザーの口コミ>
固形の石鹸で髪を洗うようになって5年以上経ちます。アマゾンで見かけてずっと気になていたポルックスを買ってみました。
1リットルの空きペットボトルに現品を計ってちょうど半分と水600ccを入れました。30度くらいの室内で一時間ちょっとで溶けました。
泡のハンドソープの空き容器にポルックスの希釈液を入れました。豊かな泡がスムーズに出ます。泡で出して使うほうが使い勝手が良いです。個人の責任で、希釈液に好みのアロマを数滴入れております。
出典:Amazon
1度洗いでも泡立ちがよく、泡切れもよいので節水できると感じている。私は水に溶かさずそのまま濡れた髪につけてモクモクと泡立てています。自分でヘナで髪を染めるので、ヘナに反応しにくい自然なものをと思い、長く使っています。
出典:Amazon
家族みんなで2年くらい使用しています。泡立ちいいし、匂いもミント系で爽やかです。スースーする感じはないです。石鹸シャンプーなのできしみはありますが、私は洗面器にお湯をはり、お酢をちょっと入れてリンスがわリに使用しています。髪はいつもサラサラです。
出典:Amazon
石鹸シャンプー&シャンプーバーを選ぶ3つのポイント
なるべくプラごみを出さないよう、どんな点に注意して選べばいいのでしょうか?
紙の外箱のみが理想ですが、プラスチック包装の商品しか手に入らなければ、できるだけ長持ちするものを選んでみてください。
紙の包装であっても、見栄えのために過剰包装されたものは避けましょう。
固形石鹸のシャンプーなら液体より長持ちするものばかり。
商品の説明に「シャンプーの◯本分」と書いてあることがあります。ここも注目して比較するといいですね。
石鹸シャンプーのいいところは、自然の成分で作られたものが多いこと。
プラごみとは直接関係ありませんが、できるだけ余計なものが入っていないものを選べば、髪にも環境にも負担がかかりません。
ぜひ使ってみてほしい!おすすめのシャンプーバー
シャンプー用の固形石鹸、シャンプーバー。海外だけでなく、近頃は日本でも使う人が増えているそう!
有名どころから最近登場したものまで、6つのシャンプーバーをご紹介します。
①LUSH(ラッシュ)
おなじみのスキンケア・ヘアケア、バスアイテムの有名ブランド。全国に展開しています。
シャンプーバーは石鹸成分と植物オイルがメインですが、ビビッドな色合いや香りを楽しむタイプには着色料や香料が使われています。
種類が豊富なので、髪質の悩みにあったものや好みの洗い上がりを求める人におすすめ。コンディショナーもあります。
包装されていないため、ネットで注文するより実店舗でパッケージフリーに買うといいですね!
ハチミツの甘い香りとしっとりした洗い上がりが特徴の”Honey I washed my hair”を試してみました!
頭に数回くるくるとなで付けるだけで泡立ちは十分。洗い流すと髪がきしむので、クエン酸リンスをしました。
ドライヤーで乾かすとふんわりサラサラに!髪にはほのかに香りがつきます。

②ブラット・ワンギ ソープ
ココナッツオイルをベースにした全身に使えるシャンプーバー。紙で包装されています。
インドネシア産で、お土産に買う人も多いとか。
ココナッツの甘い香りとしっとりした洗い上がりが特徴です。
無香料のほか、バリの代表的な花やスパイス、ハーブなどを使ったものも。オレンジのエッセンシャルオイルを配合したシリーズが人気。
③ETHIQUE(エティーク)
今年ニュージーランドから日本上陸したばかりのシャンプーバー「エティーク」。
1つでなんとシャンプーボトル約3本分!全部で6種類あり、髪のボリュームやダメージの程度でタイプ分けされています。
植物オイルやハーブ・スパイス配合。コンディショナーも別売りであります。
紙の箱に入っており、メーカーサイトから購入できます。
\ エティークのシャンプーバーがすごい秘密 /

④J.R. Liggett’s Old Fashioned Shampoo Bar
ニューイングランドに伝わる昔ながらの製法で作られたシャンプーバー。
包装は100%再生紙。動物性原料や合成界面活性剤、防腐剤など化学薬品フリーです。
全4種類あり、1つで一般的なシャンプー約2本分にあたります。
日本ではiHerbで購入可能。(2019.3.22現在は品切れ中)

⑤Castile(キャスティール)
イタリア産のオリーブオイルと有機栽培のハーブ、ナチュラルな精油でできたシャンプーバー。
髪や頭皮のお悩み別にピンキーウィートジャム・マンダリンシトラスソープ・ウインディベルガモットの3タイプが用意されています。優しい色彩のマーブル模様も素敵です!
購入は実店舗(長野県)またはメーカーサイトから。

⑥アレッポ
シリア産のオリーブ石鹸。ケミカルなものは一切使われていない、完全無添加の石鹸です。
プラスチックのラップで包装されています。
ノーマルとエクストラの2種類で、オリーブオイルの配合率が高いのはノーマル。エクストラはライトな洗い上がりで、シャンプーバーが初めての人におすすめですよ。

石鹸シャンプーにありがちな3つの失敗と解決策!
合成洗剤の液体シャンプーから切り替えてすぐは、なかなか思い通りの洗い上がりにならないことも。
「ベタベタする」「髪がギシギシ」と感じる時は参考にしてみてください♪
Case1. 泡立たない
原因は頭皮や髪の汚れ。汚れが多いとなかなか泡立ちません。
シャンプーの前の乾いた髪をブラッシングして、お湯でよく洗い流してからシャンプーしてみてください。
また、合成洗剤のシャンプーから石鹸シャンプーに切り替えると、最初のうちはうまく泡立たないことがあります。
合成シャンプーには石油系界面活性剤、シリコーンなど様々な化学物質が含まれていて、髪や頭皮に残留します。実はこれも石鹸シャンプーにとっては「汚れ」。切り替えて1~2週間はなかなか泡立たず、石鹸シャンプーの使用量も多くなります。
ですが、徐々に残留成分が落ちていくので、少量でもよく泡立つようになってきます。
Case2. 髪がきしむ
原因は、キューティクルが開きっぱなしになっているから。
石鹸は弱アルカリ性で、シャンプーすることで髪のキューティクルが開きます。健康な髪だと自然に閉じるのですが、傷んでいると開きぱなしになって指通りがギシギシとします。
石鹸シャンプーのあとはクエン酸リンスをセットで行います。キューティクルが閉じて、スルスルの手触りになりますよ♪
- 水100mlにクエン酸10~12gの割合で溶かしたものを作っておく
- 洗面器いっぱいに張ったお湯に、おちょこ1杯程度のクエン酸リンスを入れる
- 髪全体に丁寧になじませ、最後はお湯で洗い流す
タオルドライ後に少量のホホバオイルやアルガンオイル、椿オイルなどを馴染ませるとツヤも出ますよ♪
Case3. 乾かしたあとベタつく
原因は、石鹸シャンプーがしっかり洗い流されていないから。
ベタベタとした脂ぎった感じは、石鹸カスが付いている証拠。すすぎが足りていないと石鹸が残ったままになり、この状態でクエン酸リンスをすると「酸性石鹸」、つまり石鹸カスになってしまうんです。
石鹸シャンプーを洗い流す際、ブラシを使って根元から毛先に向かって泡を落としてみてください。石鹸カスが綺麗に落ちますよ。
また、泡立たないままシャンプーを終了してしまうのもベタつきの原因。
泡立たないということは、汚れに対して石鹸が足りていない証拠。一度軽く洗い流して、再度シャンプーします。何度か繰り返すうちにしっかり泡立ってきますよ。
合成シャンプーから切り替えてすぐはなかなか泡立たず、ベタつくことが多いです。最初のうちは石鹸をたっぷり使ってしっかり泡立て、ブラシを使ってよく洗い流してください♪
まとめ
シャンプーの詰め替えパックは使い捨てプラスチックです。
石鹸シャンプーならプラごみも減って、髪にも環境にも優しい!
慣れないうちはベタつきやきしみが出ることがありますが、正しく使えば誰でもサラサラに仕上がります!
ぜひお気に入りの石鹸シャンプーを見つけてみてください♪